中国教育:嘘はつくべきか、つかぬべきかそれが問題だ

北京大学の張維迎教授、大連で開催中のダボス会議で昨日曰く、
「中国の教育は子供のころから嘘を言わせる、学校を閉鎖したら中国の知識量は減るだろうが中国の道徳は改善するだろう」

全く同感だ。
嘘を言わない人間はいないだろうが、確かに中国は小学校から嘘をいわなくてはならない。
これは「教育上」非常に問題だ。
学校で嘘を言わなかった親のこんな話を紹介しよう。

学校から宿題等負担現状調査*のアンケートを子供が持ち帰ってきたから
宿題は多いと思うか?→ はい
子供の心理などに影響はあると思うか?→はい
提案があれば書いてくれ→ テスト慣れのための反復テスト演習はやめる、テストの点で生徒、先生、学校を評価するのをやめる
と書いて持たせたら翌日先生は「あんたの親はでたらめを書いてきた」と言ったという。

理不尽な先生の対応に仰天・憤慨する私を横目に
「つまり「事実調査アンケート」というより「忠誠心調査」だったわけだ、あっはっは」と笑い飛ばす中国人。先生のこんなコメントに子供も親もビクともしない、このタフさがここの相場のようだ。

とはいえ、早く嘘をつかなくて済む学校になるに越したことはない。
少なくともこういう辛辣な大学教授発言が歓迎・注目される、それが本日の北京である。


*近頃中国政府は小中学校の学生の負担軽減を政策に挙げている。小学校低学年でも2時間の宿題は当たり前というこの国で、子供の睡眠不足や心の健康などが問題視されているからだ。このアンケートはそうした政府の政策の一環で実施されたものだが、一方で学校・教師側は少しでも区域内のランキングを上げようとこの政策の実施には後ろ向きなのが現状。