2011-01-01から1年間の記事一覧

国家の教育予算GDP比3.66%は高いか低いか?

中国の2010年の公的(中央と地方)教育予算はGDP比にして前年比0.07ポイント増の3.66%だった。28日、中国教育省の袁貴仁大臣が明らかにした。(新京報29日A36)中国は1993年に世紀末までにこの数値を4%に増やすという目標を立てたが、未達成のままだ。2…

「嘘は作文から始まる」中国の国語教育に危険信号!

やっぱり、そうか。変なものはヘンである。中国新聞週間12月19日号は、2番手特集(1番は北京市の空気汚染)として「国語教育、最も危険な時の到来」という記事を載せている。葉開という42歳の「上海の王朔」と呼ばれるちょっとした作家が、小学4年生の娘の…

トイレよ、ああトイレよ‐‐北京トイレットペーパー報告

近年公衆トイレに紙をおくかどうかが話題になっている。新京報26日のA16面。今年に入り北京市が管轄する2級以上の公衆トイレに無料で紙を設置することになった。実際に記者が西単の公衆トイレ15か所を調査したところ、2か所の2級トイレは毎回80メートルの上…

「オスカーは北朝鮮人民にこそ与えられるべきだ」

将軍様が亡くなった。昨日北朝鮮大使館の前で写真を取っていると、早速公安がやってきて「記者か?IDを見せろ」というので、急いで「買い物に来たのよ」と言ってジェニーローに退いた。公道で勝手に写真を取って何が悪いのか、と喉まででたが、面倒な問答を…

普洱珈琲文化って何? 雲南普洱は珈琲の里に

今日はお口直しに珈琲の話を。雲南省プアール(普◆さんずいに耳)市と言えば、お茶好きはすぐにプアール茶を思いだす、あの中国茶の名産地だ。ところが、今ここはネスレの珈琲基地へと様変わりしつつある。日本ではプアールは飲茶(ヤムチャ)料理に合うお茶…

先生の陰口で新聞に謝罪広告を求められた小学生

中国の失格教師の話題が続く。中国では元々非常に敬われていた先生の地位は文革で地に落ちそれから30年以上経つ今も大して回復していない。何と言っても逼迫した教育財政の影響で給与が少ないから優秀な人材が集まりにくい。先生になるくらいなら、区役所…

これは錯覚か?今どきの中国トイレ事情

少々下劣で申し訳ないが本日はトイレの話を一つ。中国のトイレはいろんな意味で有名だ。昔農村を回った時、アフリカを含め世界中を旅してきたずんぐりむっくりのツワモノカメラマンは「参った、こんなにすごいトイレは今までにない」と世界のトップの座を認…

教育法:「教育部、教師の生徒に対する風刺やいやみを禁止」

これは、今日の新京報A24面の見出しだ。そんなこと文部省にあらためて禁止されるまでもないと思うのは私が日本人だからだろう。中国の先生は生徒に対してすごいことを言う。そこだけ切り抜いて日本語で紹介するとかなりの日本人でもひっくりかえる。「別の…

中国の小中学生の睡眠時間は死ぬまでお預け?

中国の教育では、子供の負担が多すぎて健康に害を及ぼしていると言うことが相変わらず問題になっている。睡眠時間の少なさもその一つだ。(新京報12日、A16面。)国の教育省がお金を出して睡眠時間を調査している。(09年に140県をサンプル調査した…

スクールバス安全条例

11月16日に甘粛省で幼稚園の送迎バスと大型トラックが衝突し、生徒19人を含む21人が犠牲になる事故が起きた。その後、立て続けにスクールバスの事故が報道されネットでは、「幹部の子弟は高級車で学校の送迎をしてもらっているのに、庶民はこんなひどい扱い…

汚職の歴史は長く

中国がつぶれるとしたら、汚職が原因だろう。「共産党の汚職を叩こうとする者はつぶされるが、だからと言って汚職を叩かなければ、国がつぶれる」とは名言だ。この汚職がひどくなったのは、改革開放の金権政治ゆえだと思っていたが大間違いだった。 今は退職…

理想の職場は食糧ステーションだった

中国の70歳代の人達が生きてきた過去というのは日本から来た私には想像もつかない世界だ。(もう一人の70歳後半の爺さんを指して)「本当は彼の兄弟も彼の前に一人女の子が生まれてたんだ。彼の両親は男が欲しかったからその子を生まれてすぐ水に沈めて始末…

3色以上の服はダメ?広州市教育委員会の先生の掟101条

日本の中学校則でも「髪が肩につかないこと」などナンセンス極まりない規則があったものが、今回中国の広州市教育委員会がだした「教師職業道徳規範読本」というものも同レベルに破廉恥なものらしい。一部を紹介すると一、全身の服の色は3色を超えないこと …

スモッグ再びで、空気清浄機とマスクがバカ売れ

前にPM2.5騒動について書いたがまだ終わっていない。11月後半一旦良くなった北京の空気だが、この数日再び悪化。北京市衛生局は微波で大気汚染が呼吸器に有害なため、窓を閉め、外出を控え、マスクをするよう市民に呼び掛けた。空気汚染に目覚めた市民は、使…

中国企業の社会貢献

中国では08年前後に雨後の筍のように、企業の社会貢献事業が創設されている。昨日出稼ぎ労働者子女の先生を支援するプロジェクトについて触れたが、それに出資しているのは上海南都集団有限公司という会社。1995年設立で、橋などのインフラ建材から杭州を中…

豆腐の悲劇と頑張る出稼ぎ小学校の先生

今日も3本。知的障害者と園児の虐待と出稼ぎ子女小学校で頑張る先生支援。今日の新京報のトップは同紙が独自取材した北京市郊外の豆腐工房での知的障害者への虐待の実態記事。原因不明の2人の死亡者さえ出ている。社説は「中国各地でこのような事件はよくあ…

今日の新聞から3本1)中国のエイズ患者推測で78万人。昨日は自身もエイズ患者で家族からも捨てられ、エイズ患者支援のNGOをしている猛林氏の話とエイズ差別に立ち向かう若者の話があった。目下の問題は就職差別と医療受診難。エイズ患者は未だに公務員に…

1億2800人の中国貧困層と「神医」

中国で「貧困」と言う時、何を基準にしているのか?一日当りの収入が1.25ドルという世銀の基準が世界基準になっている。 が、中国は2100キロカロリー摂取を基本に独自に決めた中国の貧困ラインというのがある。国際機関は「中国の基準は低すぎる、高くし…

中国でベストセラーになる教育指南本(その1) 子供は自分の作品か?

最近別のメディアに中国で家庭教育書が売れているという記事を書いた。この流れは1999年に300万冊売れたと言われている「学習革命」に始まるらしいのだが、一番新しいのでは、2009年に発売された「好妈妈胜过好老师」だ。この本はすごい、出版されて2年以上…

中国も大卒は就職難、やっぱりコネじゃないと?

この週末は全国統一公務員試験だ。この話題がこのところ多い。公務員試験にもつい最近まで「容姿端麗、優れた(内的)資質と外貌」とか、身長165センチ以上とか(中国の人は結構背にうるさい)という条件があったのが、最近は改善されているという。進歩だ。…

北京、ごみ事情、毎日1万8000トン、9割は埋め立て

「北京がごみに包囲される」という特集が去年から何度か新聞に出ている。目下生活ごみの94%が埋め立て処理というから大変だ。新京報(21日)から最新のごみ事情。 北京の1日当たりのごみの量は1万8000万トン。 毎年8%の速度で増加。 北京市のご…

5700万人の留守児童と甘粛の2人

21日の新京報に全国婦女連が調査した留守児童のデータが出ている。 http://epaper.bjnews.com.cn/html/2011-11/21/content_293882.htm?div=-1両親が出稼ぎに行った結果農村に残されている5歳以下の児童数は2300万人で、全留守児童の40.19%という。これを逆算…

9人座席車に63人、衝突事故で21人死亡 農村幼稚園の実態

今日は16日の朝に甘粛省で起きた農村幼稚園の送迎バスの交通事故について。事故の起きた幼稚園は2003年に開設した730人の子供が通う「小博士幼稚園」。 事故当時9人座席のマイクロバスには生徒と先生63人が乗車。 対向車線を時速80キロでぶっ飛ばしていたと…

PM2.5の快挙

また、中国のスピード展開が起きた。10月末から北京では濃霧が発生し太陽が見えない日々が2週間続いた。アメリカ大使館は「危険な重度の汚染」といい、北京市環境局は「軽微の汚染」という。よくよく聞いてみると、前者はPM2.5を基準には計測。後者は粒子…

今度はスパルタ体罰「狼パパ」!「奴隷教育を広めるのか」と非難の声次々

親業というのは確かに難しい。MBAというような授業もないし、王道もない。 激動の時代に生きる中国の親は殊の外、現代的な家庭教育の「教科書」を求めている。 今中国の出版業界では「親読本」がものすごく売れている。これに乗じてひと儲けしようと今度は「…

ネットのチカラ?南京でPM2.5公表!

問題のPM2.5*1を公表する都市が出てきた。これを測るとあまりに深刻な大気汚染数値なので敢えて公表できなかった(していなかった)のだ。日本、タイ、インド、アメリカなどは皆この基準の細かい粒子でも大気汚染を観測している、なぜ中国だけしないのか、と…

高級「卵」と北京の大気汚染

本日の記事1(新京報): 名門大学生の「卵」高額購入します--3万元で闇取引 北京大、精華大の女子大生の「卵」が不法のブラックマーケットで3万元で闇取引されているという実態のレポ。クライアントは40代、50代のカップルがほとんど。彼らはこの高額…

巨大像を建てる「ゴンゴ・GoNGO」と中国の「公益」

Gongo・ゴンゴという言葉をご存じだろうか?これは中国の政府系NGOをさす言葉で、政府の息がかかっていない草の根のNGOと区別するために出来た言葉だ。政府から事業費をもらう代わりに人事は握られているのが一般的だ。中国で有力NGOといえば今でも中国婦人…

日本に学べ、中国のエイズ・B・C型肝炎事情

今日は早稲田大学と地元のエイズ患者支援NGOこと「東珍」の主催する日中薬害裁判交流会に行ってきた。日本と同じ轍を踏まないよう、中国の関係者と経験交流するのが目的だ。中国のHIV(エイズウィルス)感染者は推測で70万人、10月末の政府公認データで…

失敗エッセイ「北京生活の便利さと不便さ」

この一週間、中国語雑誌向けのエッセイを「中国生活の便利さと不便さ」で一本書いていた。まずは、不便さ。1.日本のサービスは世界一だ。宅配は時間通りにくる。6つの時間帯を詳細に指定できるなんて奇跡に近い。中国でこのサービスを導入しようと思ったら…