豆腐の悲劇と頑張る出稼ぎ小学校の先生

今日も3本。知的障害者と園児の虐待と出稼ぎ子女小学校で頑張る先生支援。

今日の新京報のトップは同紙が独自取材した北京市郊外の豆腐工房での知的障害者への虐待の実態記事。原因不明の2人の死亡者さえ出ている。

社説は「中国各地でこのような事件はよくあり珍しくないが、これが特別なのは、北京郊外の通州区でおきた点だ」と言う。このあたりの中国の「常識」には毎回びっくりさせられる。

社説は監視網をもっと徹底し、公安部門も知的障害者保護の意識を高めるべきだと言っているが、根本には農村部の貧困があるだろう。ここで虐待されていた4人の知的障害者もその雇い主もみな湖北雲夢県の農民。家族は障害をもつ息子夫婦の労働力として雇い主から1万8000元を約束されておりその一部で「倒れた」家を建て替えたという。

私も昔農村を回った時知的障害者の多さにびっくりしたことがある。健康な人間でも食べて行くのがやっとの貧しい農村で、知的障害者を大事にする風土は残念ながら希薄だ。

2本目。陝西省旬陽県の磨溝幼稚園の園長は11月29日、教科書を暗記できない園児を脅かそうとかざした火ばさみ(こて?)を感情抑制ができずに園児に押しあて10人にやけどをさせた。これも、新聞は「問題は監督不行き届きだ」と指摘しているが、中国の教育の現場では、できない子供を「罰する」文化がある。子供の世界や価値がそもそも尊重されていないこととも無縁ではないだろう。

3本目。ひどいニュースばかりだが、良い支援のニュースもあった。企業の基金会がこのたび、全国10都市の400の出稼ぎ子女学校の1万6000人の教師から400人の優秀教師を選んで表彰した(「園丁賞」)という。実施団体はきいたことのない南都公益基金会と清華偉新教育基金会。今回の表彰は4回目。

また、全国の389か所の出稼ぎ子弟の学校地図を作って公開している。百度公益闇から闇に学校がつぶされなくするためにも、これは良い支援だ。

ここに河北省石家庄出身の30歳の師範大卒の先生、周利芳さんの記事がある。師範大をでれば少なくとももっと待遇の良い普通の公立小学校でも勤められるのに、04年から月収1000元強の安月給で朝から晩まで民工小学校で仕事をしていて、旦那に仕事を替え(て当時2歳の娘など家庭を重視し)なければ離婚する!とまで言われた。でも一度決心したからやり続けると本人の意志は堅く、旦那にも理解してもらったという。

こういう人を支援する公益事業は意義がある。こんな社会貢献も実施されているのが本日の北京である。