中国企業の社会貢献

中国では08年前後に雨後の筍のように、企業の社会貢献事業が創設されている。

昨日出稼ぎ労働者子女の先生を支援するプロジェクトについて触れたが、それに出資しているのは上海南都集団有限公司という会社。1995年設立で、橋などのインフラ建材から杭州を中心とした不動産、リチウム電池、バイテクまで幅広く手掛けている大企業。同社が1億元を出資して創った基金会も2007年生まれだ。

理事会メンバーを見てみると、トップは同社会長兼社長だが、二番手は大手政府系NGOの中国青少年基金会の副会長、その他、中国NGO草分け的学界人の康暁光、さらに対中国際援助ではぴか一の援助をしている米NGOのフォード財団の何進などが名を連ねている。

さらに驚くなかれ、政府管理部門もメンバー参加している。民政省傘下の国家民間組織管理局の副局長もリストに入っている。管理する現役役人が一民間組織の成員になっちゃっている。何でもアリだ。

なるほど、大手政府系NGO幹部から、本当のNGOプロジェクト経験者、アカデミックのNGO専門家に政府の役人まで網羅しており役者はそろっている。質の良いプロジェクトが出来そうな顔触れだ。

基金会のHPには「転換期にある中国の社会問題に注目し、優良プロジェクトを助成し、NGOの社会革新・社会的平等と調和のとれた社会の実現を促進する」とある。「新公民プロジェクト」と名付けられた出稼ぎ労働者子女が通う小学校の支援はこのNGOの看板プロジェクトだ。