月餅

今年の中秋の名月は9月30日。月餅商戦は6週間で、9月10日頃からピークに入る。

今年の月餅は健康志向で、甘さ抑えめ、雑穀などが流行っているとか。
価格は人件費が去年より2〜3割増え、原材料は卵の黄身(塩漬けにして、月餅の真ん中に入れる)が17%、落花生油が33%値上がりしている。でも、稲香村などの大手は去年と同じ価格を維持。

新しさは、今年から施行された食品添加物規定で27種類の添加物の使用が禁止された影響で、去年より「白さ」や鮮やかさが後退し、賞味期限もかつての3カ月から1,2カ月に短縮された。

過剰包装も2008年の過剰包装禁止規定に従って、抑制傾向にあるとか。

月餅で一番バカな買い物は、5つ星ホテルの高い月餅。箱のコストは通常15元前後なのに、こちらは45元以上もする豪華なモノを使用。一方、月餅生産の外部委託先は老舗菓子屋は一軒もなく、名もないテキト―な中小企業。当然、出てくる月餅も月並みと言うことらしい。(経験から言って確かにおいしいホテル月餅は食べたことが無い。)

月餅も若い「80後」世代を無視できず、様変わりしている。好利来などのパン屋や、ハーゲンダッツ、スターバックス月餅は、老舗月餅より高いが、売れ行きは上々。中でもハーゲンダッツは、全然関係ないのに、ちゃっかりいち早くこの商戦に参戦して成功を収めた外資だ。

とは言え、中秋の名月は1000年以上の古から伝わる風習。漢の時代から家族友人が集まり、名月を楽しむ風習が、明の時代から名月を皆で見ながら月餅を食べる風習が定着したらしい。

月の美しさに陶酔しながら親族とのゆったりした時間を過ごす、という粋な伝統を今年は真面目に楽しみたいものだ。