汚染のなぞ

今日も引き続き北京は濃霧だ。小雪が降り、全体に湿気ていて、割と温かい。霧がでるのはこういう日だ。

さて、中国全土143平方キロに出現しているというこの濃霧、原因は一体何か?
「工場・ボイラーからの煤煙、車からの排気ガス、建設現場や沙漠からの埃・黄砂」と言われている。この答えは、何となく分かったような気にさせられるが、実はちっとも真実を明らかにしていない。

工場やボイラーで質の悪い中国産石炭をバンバン燃やして二酸化硫黄が出る、というのは事実だが、これは10年前と比較して悪化はしていないはずだ。(実際、PM10という大きめの粒子量は減っている。)
工場は郊外に移転させられたはず(形だけで実際はしていない、と言う可能性はありだが)、工場の排気浄化機器も進化こそすれ、悪化はあり得ない。

建設工場からの埃というのも、昔からある。黄砂は以前と比べ減っている。となると、怪しいのは車の排気ガスである。

車は間違いなく中国全土で爆発的にこの数年で増えた。2008〜2010年には政府が補助金を出してものすごい勢いで庶民が自動車を購入。10年末に激増を危惧して急にナンバープレート制限令がだされるまで激増。75万台と言う量は東京では18年かけて増えた量だが、北京ではこの年、たった1年で突破。あっという間に東京の451万台を抜いてしまった。(現在は既に500万台超)

しかし、絶対数だけなら東京比で1割強多いだけだ。じゃ、何でこんなことになるか?という疑問が残る。ここ数日中国メディアでも指摘されているのが、中国の独占石油会社によるガソリン精製の質の低さだ。欧米基準の15倍の硫黄分が含まれるとか。

ほかに、車の浄化機能の低さだ。こんなのは車屋さんに聞けば一発で分かる。

もし、この二つが主因だとすれば、グッドニュースだ。二つともすぐに解決できるからだ。勿論、総合的に石炭やもしかしたら、沿海部であふれた石油とかいろいろ関係しているだろうが、主因を突き止めるのが先決だ。

幸い子供も私も咳などがないが、これが問題なのは明らかだ。原因をはっきりしなくちゃ、解決しない。明日、IPEの専門家に聞いてみることになっている。分かるようで分からない汚染源の謎が解けるだろうか。乞うご期待である。

これ、霧の汚染源も霧の中の北京なり。