ゴーゴリ―もびっくりの趙錫永ニセモノ部長!

ゴーゴリ―の風刺喜劇に無一文の主人公が田舎に帰る途中で検察官に間違えられたのを利用して、市長の家に泊まり、役人や商人から賄賂までもらって、 スタコラッサッサという筋の「検察官」という話があるが、本日の新京報には全くこれを地で行く話がのっている。

普通の遼寧省籍の58歳のおっさんが、国務院研究発展中心の研究員やら司長やらやがては部長となり全国4省の地方政府のヘンな会議にそれらしく出席していたという。

地方政府の人は「他の人がみんな司長と呼んでいるので、すっかりそうだと思った」ともっともな騙された理由を述べている。普通、こんなことする人はさすがの中国でもそう多くはない。新手の詐欺だから、皆引っ掛かったということのようだ。

一方で、被害者の地方政府の方も、実はとんでもなくくだらない会議を開催していることが分かる。(「乗用車のディーゼル化」に関する会議とか、数日前に合成写真のメッカとなっていたと書いた湖南省の類底市の経済開発区の会議とかを公費で大々的に実施していたのだ。)

そして、下らん会議を開催する方も、本当に能力とか内容のある発言者の参加ではなく、プログラムの見栄え上、中央のそれらしい幹部の名前が欲しかっただけ、肩書きが全てだった、という事情がある。両者の利害はある意味一致したということだ。

会議で話している姿がのっているが、すっかり高級幹部風。本人も成り切りだ。ゴーゴリ―の初演は1836年というから、180年近くたっても、人間は大して進歩していないということなのだろうか。

これ、本日の中国なり。