中国の教育

中国の教育はどんなのかと聞かれたこう答える。

まず、間違いなく間違っている。
何が?

1)徹底した詰め込みで、詰め込む進度が早すぎる。小学校1年生の1学期に習う漢字は約400字。九九も1年生でやる。英語も名門校の中学受験には必須で、なんと目安は2000ボキャブラリーとか。

2)テスト至上主義で、テストの演習に時間を取りすぎ。小学校1,2年からまるで予備校のような授業。各クラスのテストの点は少数2桁までだして比較される。先生の評価に直結。

3)創造的でなく、徹底した型への填め込み学習。生徒のやる気、主体性無視で、軍隊的な力による教育。

4)国語は2つの意味でまちがっている。一つは創造性の欠如、二つ目は思想教育の道具化。政治教育を国語でやろうとするのは間違い。このことは莫言も明言している。

原因は何か?
1)最大の原因は教育理念の遅れと良い先生の人材不足。
2)親の競争心理、焦り
3)子供の社会的位置づけ:子供は親のもの、将来への投資、という位置づけで、独立した個人とみなされていない。
4)エリート教育のためのマス教育。極一部の秀才をふるいにかけるための教育。選抜のための教育。育てるための教育ではない。
5)権力の干渉

ところが、最近はかわりはじめている。
何がどう変わったか?

1)先生が若返り、生徒のやる気、自信、個性を尊重し始めた。また教え方もぐっと進歩し、力による教育ではなく、興味を引き出して教えるモダンな方法に。一言で先生の資質が向上している。

2)親もモダンにになっている。中国の教育は間違っていると強く意識している層は厚い。トットちゃんブームを支える層がいる。良いものは良い、と感じる余裕、グローバリゼーションが進行。

3)負担削減政策、創造性重視を歌う教育政策へ。宿題が減った。懲罰的な宿題が減った。

今後の展望
もっと変わるだろう。大学受験もグローバルサーキットを目指す方向に動いている。グローバル化が進めばいやがおうでも変わっていく。先生になる人材もでてくる、先生への待遇も向上する。世界とより近い教育方法・内容になる。そう、期待している。

これ、本日の北京なり。