オバマ訪日中国報道

オバマが訪日して、安倍に尖閣島は日米同盟の範囲内とみなすよ、と言った。力による現状の変更はよくない、法の精神に乗っ取るべきだと。

確かに。
近代法に則れば日本のものであって、中国は領土という概念の生まれる前に自分のものだったかもしれないが、とにかく70年代までは日本所有としてきたわけで、最近日本が馬鹿な手を出し、自国の国力増強をいいことに、自分のものと主張しているが、どうも無理がある。


環球時報はこれをどう伝えたか?一面トップで「オバマ、尖閣島をめぐって綱渡りーー初めて公開の場で日本を支持、同時に中国をなだめようと努力」と表題。写真はなし。

日本は一生懸命アメリカをもてなし、ついに一番言ってもらいたいことを言わせたと喜んでいるが、忘れないで欲しい、オバマは領有権についてはどちらの立場も取らない、と特に強調して言っている、その上、同盟関係については僕が生まれる前からあったもので、何も新しいことはない、といっているじゃないか、と強調した。

日本の新聞が習近平の訪米の時、「大国関係を演出、でも両者には溝有り」と悔しそうに報道したのと全く同じに、中国もオバマはそうはいっても、中国にも気を使っているし、、尖閣はあくまで外交手段で平和的に解決せよとオバマも言っている。第一、有事の際に軍事・経済的に全く利益のない尖閣島のために米国が出兵するかは大きな疑問、と書いている。

とにかく、「アメリカがこう表明したことで、事態は複雑になった。」という。然り。
安倍は勢いづいて「日本の不確実性を増大させ、外交攻撃を仕掛けさせるのでは」、と書いている。

安倍がこれで調子にのって、暴走するのだけは避けてもらいたい。
日本の立場が支持されたという面でよかったような気がするものの、決して手放しで喜べない外交の展開だ。

それにしてもオバマはTPPとウクライナで日本の合意を引き出すためにわざわざ来たのにそれも得ずに日本を去ることになる。勿論TPPをやれとは思わないが、外交ゲームという点ではオバマは今回の訪日で何も得していないのではないか?

さて、外交大好き且つ大得意の中国はこの先どう振舞うのだろうか?街のメディアは寿司外交と題して安倍が酒をお酌している写真を流しつつ、割と平然としている。

変な方向に行かないことだけを願っている。
これ、本日の北京なり