DIAOYU ISLANDS The Truth を見た

最近できた古来から尖閣島は中国のものだと主張する表題の映画を見た。信頼する宋さんが見たら良いと勧めていたのだ。なんでこんなプロパガンダ映画を勧めるのか正直わかならなかった。そこで見てみた。

気に入らないのは歴史的資料(写真などを含め)と現代の(娯楽!)映画や(プロパガンダ風の)挿絵などを区別なくごった煮にして利用している手法だ。

厳密なBBCのようなドキュメンタリーでは絶対やらないが、中国ではよく見る手法でこれはよろしくない。

また、日本の戦争問題と尖閣島を一緒に扱うのも二つの別の問題なのにおかしい。

という大問題を抱えているものの、日本人が見るのは良いことだとも思う。なぜそう思ったか?理由は二つ。

原爆投下をアメリカのプロパガンダ映画が華々しい”a tale of two cities”(これって、チャールズディケンズの「二都物語」のダジャレ!なのだ)として流しているのを見ると、日本人として非常に不愉快になる。(幸い、その後、これはひどかったと、ケロイドの被害者の映像もでてきて若干バランスをとっているのだが)

とはいえ、原爆を投下した方のアメリカ人はそんなことはほとんど知らずに、考えもしていないかもしれない。そのことに被害者の方の日本人はわだかまりや一種の怒りを感じる。これは全くもって自然な流れだ。

同じ理屈を日中で当てはめれば、中国の被害者が日本がどんなに弁明しようと、忘れられないのはこういうことだろう。こうした感情は真理として中国に存在することをもっと謙虚に受け止めるべきだろう。今の日本はこういう人の当たり前の心理を軽視しすぎているように思う。

その次に、どんなに弁明しても、あの戦争を支配した日本の体制は狂気以外の何者でもない。国民全体が洗脳されていたのだから、そのことをもっとまじめに考えたほうがいい。あんな時代が再び来ては日本人としても非常に不幸だ。(被害を受けた外国は言うまでもないが。)中国に弁明しようと懸命になって、日本人自身がどれだけあの戦争で苦労したかを忘れて美化しようとしていないか?これって本末転倒もいいところだ。

ということで、非常にあからさまな欠陥を持つ映画ながら、big picture(アメリカのプロパガンダ番組名でもある)においては、この映画は日本人は見たほうが良い類に入る。

最初はわからなかったが、宋さんが勧めているのはおそらくそういう脈絡なのではないか、と想像する。

これ、本日の北京なり。