弾圧と弾力

今日は旧知の日本の中国問題研究者先生とランチをした。最近の弾圧で彼女の良く知る弁護士などがこの半年にたくさん捕まっているという。当然ながら、重たく悩みつつ、その怒りをこの国の支配者に向け、中国のいろんな現象を「トンデモ」に帰結させている様子だった。

私も彼女と同じ立場だったらそう思うかもしれない。自分の仲良くしていた理想主義者がその純粋な理想故に捕まったらそりゃ、とんでもなく重く暗い思いをさせられるだろう。

彼女からは、どすのきいた緊張感とこの国の暗闇への深い怒りを感じた。

そしてよる我が家に戻ると注文しておいた知日の雑誌が3冊届いていた。パラパラをめくって本当にこの本のクオリティーの高さに驚いた。一ページ1ページをめくるのがこんなに楽しい雑誌ってあったっけ?これが中国の人が作って、中国で売れているってホント?と声を挙げたくなる。せめてHKとか台湾ならともかく、ちゅちゅちゅ、中国で?と。

洗練されたモードなデザインと目から鱗が落ちる企画力。これをあんな数人だけのオフィスで作っているっているって一体どうやって実現させているのか?

この雑誌にはまさに疾風の如く駆け抜ける中国の全く新しい人々、そのエネルギー、その軽さ、その良いものを求める貪欲さが凝縮されていた。

真昼間に見えた思想を理由に弾圧する暗くとんでもないチューゴクと、夜に見えたモードに新しいものを貪欲に取り入れて走りぬくグローバルなチャイナ。

両方とも本当の姿なんだろう。両方をしっかり見て、良いものを目指していくしかない。
悲観せず、怒らず、焦らず、流されずしなやかに。

これ、本日の北京で考えたことなり。