公立小学校のクラスで、日本語を教えて〜

先週、担任に頼まれた。
「これから、日本語をホームルームの時間に教えてもらいたい」
ええ〜。

正直私はびっくりだ。2012年の反日デモの頃なんて日本語を外でしゃべるのさえちょっと勇気が要ったというのに、小学校のおちびさんたちに日本語を教えようというのだから、これは隔世の感ありだ。

一体どういう風の吹き回しか分からないが、この担任は去年北海道に旅行し、すごく楽しんだらしい。この旅で日本に親しみを感じるようになったのかもしれない。それに、中国ではかつてない日本ブームだ。

中国では情報操作が激しいので、長くいると、ああ、今上向きベクトルになってきたな、とか、あれれまた反日ギアが入ったなあとか政府のメディアコントロールが肌で感じられるようになる。

そういうものにまんまと踊らされてしまうのは悲しい人間の性なのだが、それを置いておいても、今は中国の人たちの中に日本の良いところを知りたい、学びたい、体験したい、という熱がグーと湧きだしている、と感じる。

それは、中国の都市部の市民たちの生活レベルが上がり、さまざまな面で日本の中流の生活に近づいてきていて、日本が手の届くちょっと上のライフスタイルのモデルになっているからだろう。

家をイケア風に小さい仕切りを使って綺麗に片づけるとか、家でクッキーやパンを焼くとか、ピクニックに行くとかそういう生活様式自体が新しい。せいぜいこの10〜15年位じゃないだろうか。

日本は片づけ上手だし、狭い空間をきれいにするのも得意。簡単にできるクッキーやパンなど日本の主婦なら大抵誰でもする。ピクニックなどのアウトドアだって日本の方が板についている。

ということで、中国の都市部の人の生活が日本人に迫ってきたことや小さな自分だけの特色のあるライフスタイルを中国の人も追及するようになった。これが日本ブームの背景なのではないだろうか。

「日本語を教えてくれ」とあの癇癪持ちで権威主義の先生が言ってきたのもそんな大きな中国の地殻変動があるからのように思う。

この変化を歓迎し、上手に利用し、持続させたいと思う。
これ、本日の北京なり。