「混乱、複雑、仰天」の中学受験−その1

日本でも中学受験が過熱しているが、中国の猛烈さと乱れ様?はその比ではないだろう。先日もハーバードもびっくりの公立中学入学寄付金リスト(最高額は25万元!)が出回り話題になったばかりだ。

北京では名門といえば公立校がほとんどで私立はごく少数。表向きは中学までは義務教育なので、大っぴらには競争入試に一本化もされていない。しかし学校の序列と親の情熱は否定しようもない実態としてあるので、事態は複雑になる。あの手この手の入学方法が設けられている。

こちらの入試では公立校では「占坑班」「推薦」「特技生」「共同建設(関連企業・単位子女)生」「メモ生」などの特別枠と「コンピューター振り分け」という地域別自動振り分けによる入学校の決定プロセスがある。日本の公立中学と同じシステムに当たる後者は、北京では極「平民」の選択で、約1/3〜半分に過ぎないという。つまり「特殊枠」からの入学が「一般化」しているのがいまどきの北京事情だ。

簡単に特殊枠を説明すると
−「占坑班」。直訳すると「場所取りクラス」。有名公立校自身が小学3年生~6年を対象に開講する塾。2010年、教育熱心な海淀区の例では名門7校の「占坑班」を5000人以上の子供が受講し、そのうち560人が7校に入学したというから、10倍近くの倍率だ。費用についてはまとめて後述するが年間1万元以上と安くはない。

−「共同建設生」。国家機関や大型国有企業などの子女枠で入試枠の1割程度を占めているようだが、詳細は明らかにされていない。(公立校なのに入試の実態が不透明という事実!)

−「メモ生」。これはズバリ校長先生などが袖の下などにより特別認可してメモ書きの入学許可をだした生徒と言う意味で、有名校だと募集生徒数の1割くらいがこれだそうだ。

公立で白昼堂々、系列塾の経営や、袖の下枠などが罷り通っているわけだから、日本人からすると驚きだ。中国の名門校は公立校でも日本の私立のように運営されていると考えると分かりやすいかもしれない。

中国の人はこれをどう見ているか?
やはり彼らにとってもこの現状は「混乱、複雑、仰天」!に映るというから少しほっとするが、なんでこんな状態になってしまったのか?続きはまた明日。