北京の運ちゃん「ネットは素晴らしい、寛容な時代になった」

北京のタクシードライバーとの会話は、ちょっとした北京名物だ。他の地域の中国人からもここの運ちゃんの政治談議や自分談義は一味違って面白いと思われているらしい。

貴州省の友人は「北京に行ったらそりゃ、必ずドライバーとおしゃべりするさ」と言う。
確かに、いろんなおっさん(たまにはおばさん)が勝手なことを言っていて面白い。
私も自分の体力がある限りおしゃべりする。

今日のドライバーはもう24歳の息子がいて、自分が息子の頃にはもうこの息子が生まれていたというから40後半のおじさん。来年廃車にするボロいサンタナを運転している。椅子が沈んでとかく坐りにくい。まず、そう文句を言っておしゃべりが始まった。

新聞は見るか→見ない
ネットは見るか→見る、ネットのニュースは鳳凰、新波、捜狐皆見る、どれも同じ。
ネットで連続テレビドラマをまとめて見るのが好き、最終回から一気に徹夜で見るそうだ。(如何にも、ハイパーで「結果」を急ぐ イマドキの北京人らしい。)
「ネットがあって今まで出てこなかった社会問題とかが表面化するようになって良かった。
ネットは良い。今の社会は昔と比べれば進歩した、ずっと寛容だ、」という。

前回書いた洛陽から北京観光にきて、ボコボコにされた青年の話をしたが、驚きもせず涼しい顔。「先進国以外の他の国ではそういうことは無いのか?」という。
まあ、確かにこの質問はアリだ。
つまり、過去を知る彼から見ると「昔よりはまし」ということらしい。

24歳の息子はインターネット関係の仕事していて、自制がきき、理性的と高く評価。
(珍しく子育てには成功している様子だ。)
その影響で自分もネットを見るという。

おじさんの夢はこうだ。将来退職したら奥さんを連れて車で各地を回って全国を見せてやる。団体旅行なんかじゃなくて、西へ東へ気が向くままに旅行するのだという。そういいながらご機嫌でレシートを切ってくれた。

中国のニュースを見る2つの目線。中国の人は過去との比較で今を昔から「縦」に見る。
日本人は自分の国の今との比較で「横」に見る。
縦と横の二つの目線があってこの二つが根本的に違うのは当然でありながら、忘れがちだ。