北京の匂い

1週間ぶりに北京空港に降り立った。

超近代的でピカピカの第3ターミナルの到着ロビーを出て地下のタクシー乗り場まで行く5分間の出来ごと。

カートを押してエレベーターを待っていると、5番目位に来た男が2番目に来て並んでいた夫婦の横に無理やり突き刺さってくる。
私も「危険」を感じ取ったその瞬間、夫婦の奥さん(怖いのはどこの国も女性だ)が旦那に「もっと(カートを入口に)くっつけて」と緊急防護対策を指揮をする。
うかうかしていてはエレベーターも乗れない。この国の生存競争は激しい。

地下2階に下りてタクシー乗り場を目指して自動ドアの外に出るとプワ〜ンと北京の匂い。
油炒めと白酒を混ぜたような厚みのある独特の匂い。
混沌とエネルギーの渦巻くこの地に再び舞い降りたと実感した。