人民日報も反対!中国に蔓延る「実利主義教育」

中国の教育では子供の心理や自尊心の尊重とは程遠い「きびし〜い」環境がある。
日本で教育を受けたものとしては、中国の先生や学校の一挙一動が衝撃的に映る。

それでも、こういう現状へ中国の人々が違和感を持ち始めているのも事実。
今日はそんなニュースだ。

西安市にある進学校の小学校で、成績が芳しくない学生に緑のスカーフを着用させた事件だ。中国の小学校では普通なら小学校2年生から一斉に共産党少年隊に参加し、その証として全生徒が赤いスカーフをまとうのがしきたりだ。ところが、この学校ではできの良い子だけに赤いスカーフをさせ、できの悪い子は緑のスカーフを着用させた。クラスの約半分の子が緑だったという。

北京の京華時報は一面全体で大きく報道した。学生に対する差別だ、不公平だ、数々のプレッシャーと競争原理で子供たちを「成功」にむけてスパートさせている、子供の権利や感覚を無視していると教育全体を厳しく批判。

中でも傑作なのは「実利主義教育の「緑スカーフ」をはずして」と題する人民日報の社説だ。
(このようなやり方は)子供の自尊心、平等意識の理解に欠け子供の向上心を刺激することはできない。

教育、中でも基礎教育は全人格的な市民を養成する目的で築かれるべきで、子供の人としての成長は、才能の成長以上に重要である。ところが目下の現実はそれとは正反対。家庭教育・学校教育における成功を急ぐ実利主義的態度は「人を育てる」プロセスを押しつぶし、子供に負担しきれないほどの学業の圧力を負わせ、更に低俗で浅はかな実利主義的価値観を彼らの人生観や世界観に植え付けている。

人格よりも、目先のテストの点が重要。そのためには子供も親も先生も手段を選ばず突進!テストの点が悪い子への差別や不公平な扱いはむしろ当前という教育の現状を真っ向から手厳しく批判している。

こういった「できない学生への差別事件」は日常茶飯事で氷山の一角にすぎないのだが、それを取り上げて正面から正論をぶつけているということがこの国では新しい。
これもまた本日の北京である。