高級「卵」と北京の大気汚染

本日の記事1(新京報): 名門大学生の「卵」高額購入します--3万元で闇取引
北京大、精華大の女子大生の「卵」が不法のブラックマーケットで3万元で闇取引されているという実態のレポ。クライアントは40代、50代のカップルがほとんど。彼らはこの高額な「卵」の主が目が二重か一重か、性格はどうかなど直接北京市内のホテルラウンジで「品定め?」も怠らないという。

注文を受けた大学生は健康診断の後、排卵促進剤を8日注射し摘出する。その時点で「栄養費」と称する実質「卵代」3万元を闇業者から受け取る。両者に契約書はない。こういう業者は人人網、陽光代妊網などのネットやチャットなどで堂々と高級卵大募集の広告を出しているという。

覆面でレポした記者は名門大学でなかったせいか、一重だったせいか「栄養費」は5000元だったと言う。これを♂の摘出精子と配合し、クライアントのお腹に入れるか、代理母に入れて産むというビジネスらしい。因みに業者は卵代の10倍を客に請求するそうだから「儲かる商売」だが、人間の生命の尊厳はどこへやら。ここまで来たかという状況だ。

記事2:金持ちはアメリカに移民
今年米国の投資移民の申請者の75%は中国人。2969人がEB-5を申請して934人が許可された。07年はこの数字はそれぞれ270人と161人だったからたった4年で10倍以上になっている。ブームである。(米国移民局データ)

金持ちの投資目的の50%が子女教育、32%が移民、25%がリスクの分散、22%が生活上の必要、18%がよりよいリターンを上げている。金持ちの子女教育はアメリカ、カナダというパターンだ(でも中国の教育環境から一刻も早く「避難」させたいという親心は分かる)。この3年で少なくとも170億元の資金が海外に流出しているという。ちっとも「アイコク」的でない人民よ。

記事3:北京の大気汚染議論 PM2.5かPM10か
2,3週間前から北京は濃霧に覆われて太陽が見えない日が続いた。先週中盤から回復して幸い今日も太陽を拝めたが、この濃霧の原因は重度の大気汚染で2.5ミクロン以下の粒子の量を測定すると「危険」な範囲にある300以上だったためと在北京米国大使館が08年から公表している空気観測データは言う。

一方北京気象庁はずっとゆるい基準の10ミクロン以下の大きい粒子を観測する限り汚染指数は100前後で「軽度の汚染」にすぎないというものだから、市民は怒った。なぜ観測基準を体への害が深刻なPM2.5にしないのか、なぜこの数値を公開しないのかという問いが渦巻いている。ネットの世論調査でも約7割の市民が市気象局の情報は実感に即さないと答えている。

中国では気候情報は「政治的」で自由にできない。昔農村の援助プロジェクトで作物のために簡単な気候観測をしたら地元当局から厳しく取り締まれ、ちょっとした騒ぎになった。

米国大使館のこの調査はあるべくしてある。治外法権の大使館しかできない貴重な調査だからだ。北京の空気が最悪なのはまぎれもない事実だ。

まあ、ここ数日は太陽が見られるようになったのだから良しとすべきか?
市民はもう簡単には騙されない。
例外に漏れず喉が痛い北京の晩秋の今日である。