9人座席車に63人、衝突事故で21人死亡 農村幼稚園の実態

今日は16日の朝に甘粛省で起きた農村幼稚園の送迎バスの交通事故について。

事故の起きた幼稚園は2003年に開設した730人の子供が通う「小博士幼稚園」。
事故当時9人座席のマイクロバスには生徒と先生63人が乗車。
対向車線を時速80キロでぶっ飛ばしていたところ向こうから来たトラックと正面激突し、死者は21人(うち園児19人)に及んだ。農村道路はただでさえガタガタで、起こるして起きたともいえる悲惨な事故だ。

園の学費は1学期(中国は2学期制)300元、生活費(食費)200元、送迎費50元。
地元の農民の年間平均収入は2000元以下だから、負担は少なくない。純農家は子供を園には入れる余裕はない。

しかも園児の3分の1は、両親が出稼ぎに行って家にいず、老人などが面倒を見ている「留守児童」。周囲に幼稚園は無いため、平均10〜20キロも離れたところから通園している。送迎車は必須だ。

しかし政府からの補助はなく、送迎バス運営は園にとって大赤字という。そのため園は600人近い園児をたった4台のバスで「時速破り」「定員破り」の状態で毎日送迎していたという。

当局はドライバーを逮捕したほか、政府の教育、交通部門の副県長を定職処分にして調査中という。この事件を受けて北京など全国各地で学校送迎バスの取り締まり強化をするといっているが、そういう問題ではない。必要なところにお金が行っていないからこういうことが起きる。

本日もまた、「教育にお金を、子供を救え!」である。