5700万人の留守児童と甘粛の2人

21日の新京報に全国婦女連が調査した留守児童のデータが出ている。
http://epaper.bjnews.com.cn/html/2011-11/21/content_293882.htm?div=-1

両親が出稼ぎに行った結果農村に残されている5歳以下の児童数は2300万人で、全留守児童の40.19%という。これを逆算すると中国の留守児童数は約5700万人となる。

5歳以下の留守児童が多いのは、四川、安徽、河南、湖南、江西、貴州、広東の7省でいずれも100万人以上を抱えている。

婦女連の児童部トウ麗部長は5歳以下の留守児童は肉親の情に欠けるために、一生にわたる心理的な傷を負いやすいと指摘。その他、安全面、栄養面でも行き届きにくい。

また、国務院発展研究センターの韓俊副部長によると、2010年に6カ月以上出稼ぎに出ていた農民工は1億5300万人。都市と農村間の流動性が強まる中、子供を連れて出稼ぎに出る傾向が強くなっているという。

甘粛省のバス事故でも幼稚園の3分の1は留守児童だった。

甘粛省から来た元気な30代の掃除の名人も5歳と7歳の息子達を里に置いてきている。なぜ呼び寄せないのかと聞いたところ学校は我が家の近所にも給食費以外は無料で受け入れてくれるところがある(これは進歩。これさえないところも多い)。

問題は住居。地下室の狭い部屋は旦那と2人で既にギューギュー。広々とした田舎に慣れている子供には窮屈だから呼ばない、という。

それに都市部の物価は高く、せっかくの出稼ぎで苦労して得た給料も飛んでしまうという点も現実問題としてはあるだろう。

この前の夏休みに子供を北京に呼び寄せた。「いざ田舎に帰る時になったら『僕ここに居る帰りたくない』と言うんだ」となまった中国語で母は私に話した。

家族が離れ離れで精神的にきついのはもしかすると子供だけではないのかもしれない。