スモッグ再びで、空気清浄機とマスクがバカ売れ

前にPM2.5騒動について書いたがまだ終わっていない。

11月後半一旦良くなった北京の空気だが、この数日再び悪化。北京市衛生局は微波で大気汚染が呼吸器に有害なため、窓を閉め、外出を控え、マスクをするよう市民に呼び掛けた。空気汚染に目覚めた市民は、使い捨てマスクや空気清浄機を買い求めて、今や売り切れも出ていると言う。

4日、インターネット淘宝では1日で3万のマスクが売れ、そのうち2万が北京での購入だったという。直前2週間の平均の3倍に激増した。

空気清浄機もめちゃくちゃ売れている。しかも、日本製が圧倒的に人気のようだ。実質空気清浄機の監督機関である室内環境検験センターは新たな基準を制定すると言いだし、業界全体を飲み込んだ動きになっている。

家電量販店最大手の北京蘇寧によれば、空気清浄機の販売数は激増しており、12月の第1週の週末だけでも普段の5割増の売れ行きという。大手家電量販店の北京国美でも10月から同商品の売れ行きは絶好調で夏の倍売れているという。

この動きはネットショップでは更に鮮明だ。最大手ネットショップの京東商城によると11月の空気清浄機の売れ行きは前月比で50%増、前年同期比では250%増で、明らかに他の家電を上回った動きを見せているという。

中国国家室内環境・室内環境保産品質量監督検験センターの宋広生主任は「外から来た和尚は必ずしもお経が読めない」と、外資の技術は必ずしも中国のニーズには合っていないと主張する。松下などの日本メーカーは花粉除去に優れており、フィリップスなどのアメリカ製は塵の除菌に強い、中国で問題なのはホルムアルデヒドだが、外国製は必ずしもそれに対応していないという。今後は国家基準としてきちんとホルムアルデヒド除去機能があるかなどの表示基準を定めるべきと主張。どうも国内メーカー保護を狙った発言という印象だ。

一方消費者の関心はやはりPM2.5の除去に有効か否かに集中していると言う。国美の店員も多くの消費者がこの点について聞いてくると指摘している。

目下同商品の国内の主要メーカーは松下、フィリップス、美的、遠大、亜都などだが、松下製は0.03マイクロメートル以上の微粒子のろ過が可能なため、良く売れているという。京東商城の12月第2週のトップランキングでは、1、2,7位が松下、4,5がシャープ、3、6位が中国メーカーの亜都と日本勢が優勢だ。

今年4月にプラズマクラスター搭載機を中国で発売したシャープ商貿(中国)有限公司の菅野信行会長によれば、元々2010年の世界市場での売り上げ台数1000万台のうち、中国は20%の速度で増加し既に10分の1に当たる100万台を占めているという。他社も相次いで同分野参入を表明しており、競争は激化してきているが、同社は中国市場での売れ行きは明るいという。(国際金融報2011年4月13日7面)

先の中国国家室内環境・室内環境保産品質量監督検験センターと中国質量認証センターは共同で空気清浄機基準を策定中で、年末ごろをめどに公表する。