スクールバス安全条例

11月16日に甘粛省で幼稚園の送迎バスと大型トラックが衝突し、生徒19人を含む21人が犠牲になる事故が起きた。その後、立て続けにスクールバスの事故が報道されネットでは、「幹部の子弟は高級車で学校の送迎をしてもらっているのに、庶民はこんなひどい扱いを受けている」というメッセージが出回り、大気汚染のPM2.5と同じく、大きく盛り上がった。

そしてPM2.5同様に急速な政策展開が起きている。(この点、中国はめちゃくちゃ早い!)
温家宝は白紙だったスクールバスの安全規定の起案を指示して、2週間後の昨日11日、安全条例草案・公開意見公募版がまとまった。これから1月11日までの1カ月意見を公募する。既に400の意見が寄せられているという。

微博の「私のスクールバス意見」ではなんと21万のメッセージが寄せられたと言うからかなりの関心の高さだ。

時速60キロ以下に制限するとか、運転手の資格の厳格化とか、公共バスレーンの開放などが含まれているが、一番問題なのは運営資金だ。(中央地方で分担とあるだけで詳細は草案にはなし)

中央財政からきちんと末端まで必要な経費を出さないと、何も解決しない。農村部の先生の給与は県レベル財政に任されていて、半年の滞納は当たり前という状況が5,6年前まで当たり前だった。が、中央政府が遂に本腰を上げて、先生の個人預金口座に直接入金するシステムを作り上げて、かなり改善した。(これまでは中央から地方に行った資金をもっと儲かるインフラや開発事業に費やしていたのだ。)バスでも同様の費用支援システムが必要だろう。

中国の教育は結局のところ、投入が少なすぎるのだ。GDPの4%にも満たない。
教育をこれだけ重視する社会風土なのに、これはやはり低すぎる。
これからのスクールバスの運命は財政措置次第、注目している。