国家の教育予算GDP比3.66%は高いか低いか?

中国の2010年の公的(中央と地方)教育予算はGDP比にして前年比0.07ポイント増の3.66%だった。28日、中国教育省の袁貴仁大臣が明らかにした。(新京報29日A36)

中国は1993年に世紀末までにこの数値を4%に増やすという目標を立てたが、未達成のままだ。2010年の中長期教育改革発展計画綱要では2012年までに達成すると再び宣言している。実際は地方財政への負担が大きく実現は難しいという。

中国の教育は確かに貧乏だ。これまで何度も書いているが、何と言っても先生の待遇が悪い。その上、教材・設備費も悲しくなるくらい貧相だ。学校で絵を書くにも、画用紙は生徒が各自持参する。トイレットペーパーだって人民大学で導入して潜入レポが書かれるくらいだから、当然小学校にはない。石鹸だって無論ない。

送迎バスの事故が大問題になっているが、勿論安全に運営するための資金が確保されていないのが事故の背後にはある。

ところが、この数字を日本と比較してみて驚いた。日本の公的教育予算のGDP比はなんとOECD先進国では最低レベルで、ちょっと古いが2005年データでは3.4%でビリだったという。(高校偏差値-偏差値最新情報: 教育予算:日本、最低の3.4% GDP比、OECD28カ国中 /全国

勿論これは「一人当たり」のGDPで見るとガラッと変わり、日本は中レベルになり、中国はずっと低くなる。

先生の待遇では給与額だけ見ると日本は世界トップレベルらしいが、よ〜く先生の拘束時間や監督生徒数でみると日本は一気にランクが下がる。日本の先生はマルチで生徒の面倒を見るが、アメリカなどでは専門性により分担する補助の先生が多いし、クラブや生徒指導などで先生が拘束される時間が少ないという。(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/siryo/07110606/005.htm

確かに中国の先生も子供と一緒に下校しているから、給与も少ないが拘束時間は、日本より少なそうだ。(ただし、これは都市部の話で、農村では朝6時、7時から学校で子供が自習を始め、夜7時、8時までやっているのに先生は付き合わされるとなるとこれまた別事情だ)

それにしても、中国では先の高速鉄道事故調査報告が公表されたが、東京‐名古屋とほぼ同じ距離に相当する上海‐南京間には元々「近距離」高速鉄道があったのに、今回全く並行・重複して「長距離」高速鉄道を作ったというから、こんな無駄な話はない。東京‐名古屋に並行して2本も新幹線を走らせようなんてアリエナイ。(全く同じことが北京ー天津間にもある)

そんな金があるなら、先生の手当てに使ってもらいたい。分配をどうするか?日本でも教育財政は決して世界比較では威張れるレベルではないようだが、中国は「最低レベル」が満たされていないからこの問題はかくも深刻である。これ本日の中国也。