意外なお受験科目

中国では日本の受験がかわいく見えるような熾烈な中学お受験戦争が繰り広げられているのだが、さて問題の受験教科は何でしょうか?

なんと、算数と英語の2教科なのだ。

数学の出来る子は頭が良い、と皆が信じている。
全国規模の数学オリンピック(要は試験なのだが、迎春カップとか希望カップとか数種類ある)
があり、そこでの成績は中学受験でも重視されるとか。

そして英語。
この英語のレベルがすごい。
塾の宣伝によれば、求められる単語数は1500語。最低でも1000語は押さえていなくてはならないという。
中国の中学2年生・前期の期末テストのレベルというが、日本の英語だったら高校レベルだろう。

中国の学生は国語の時間で小学校1年生の1学期(3カ月)でいきなり450字の漢字を学び、小学校3年までに約3000字を少なくとも読めるようになる。それだけでも驚異的なのに、英単語も詰め込むと言う。

英語教育は小学校1年生から始まる。1,2年は単語は覚えなくても良く遊び。テキストはカナダが協力して開発したもので、結構良くできている。北京あたりの小学校だと外国人教師もいる。物おじしない中国の小学生は、かなり英語を話せる。これはこれで良いのだが、勝ち抜くための「受験」は違う。

1000〜1500を覚えるには、塾のカリキュラムに頼るしかない。有名校を目指す知人の娘さんは、小学校4年から英語塾に通い中国の高校生用の英語テキストで勉強しており、もうペラペラだ。

それにしても、それじゃあ、こういう子は中学や高校に行ったら何を勉強するのだろうか?
私は中学で初めてNHKラジオ英語で勉強した世代だが、それでもどうにかなった。
後でやっても間に合うのに小6の競争で人と差をつけるために先取りして勉強しているだけじゃないか?

どおりで、小学校3年生の冬休み講習で260単語を覚えましょうとか、40分で300単語を覚えられる隠れ技を伝授という塾の宣伝が毎日携帯にくるわけだ。

小学生なら野球とか、鬼ごっことか、ビーズとかもっと他にやることがあるんじゃなかじゃろか?

とはいえ、中国語教育も作文指導が問題になっているようにかなりひどい。国語が受験科目から外れているのは不幸中の幸い?なのかもしれないが、それでも小学生が背負うには重すぎる受験である。