拾ってきた嫁

中国の広さというか、末端まで手が届かないというディープな現実を伝えるニュースがまた出ていた。

河南省の開封市の下の農村での出来事。60を超える単身農民の王が20歳の女の子を2年にわたって自宅に監禁していたのを県の警察が救出したというニュースだ。

この女の子はどうも精神薄弱らしく、地元の近隣の県から家出をし、王の村にやってきて王にかくまってもらったのが発端とか。

娘の叫び声などを近所の人は聞いていて、王が強引に囲っていたのは明らかだが、王は悪びることなく「奴は俺が拾ってきた嫁だ」と言っている。

驚くのはその二人が暮らしていた極貧と思しき王の家の様子だ。
ベッドとトイレの区別もなく、家畜小屋以下の状況で筆舌に尽くし難い。
21世紀の今日にこんな生活をしている人間がいるとは!

しかも、こんなショッキングな事件でさえ、ここでは新京報という地方新聞の19面に載って終わりだ。こんなことは中国の人にとってさほど驚くべきニュースには入らないのだ。

何で2年も放置していたのか?なんて真剣に自問するのはここでは私だけのようだ。
底なし沼の中国、これも本日の中国の一側面である。