なぜ熊の胆汁で盛り上がるか?そして胆汁と牛乳

一昨日の北京地元紙一面には河村発言「南京虐殺否定」がのり、これからまた日中関係緊張化に向かうかと思い気や、昨日の一面は熊一色!

最近熊の胆汁を使った漢方製薬会社の帰真堂が上場したのをきっかけに微博で「残忍だ」と話題になった。同社は大手乳製品会社などのPR経験のある大手PR会社を雇い、「危機管理」を展開。一昨日、熊の飼育現場と採集の様子を報道陣に公開したので、昨日報道されたわけだ。

まず、このニュースが1面を飾るほど重要か?河村発言に比べれば中国にとってどうでもよいことのようだが、もしかするとまさにそれゆえに昨日の一面となったのかも。

次に、熊をほとんど身動きできない檻に閉じ込めて、胆汁を採集するのは確かに残忍である。(今回公開された映像では檻に閉じ込めておくのではなく、熊が自由に外にでて「自由活動」や「休息」している場面もあった)が、これと乳牛も似てはいないか?

先日、日本の農家で乳搾りを体験させてもらったのだが、これまで自分の無知で麻痺していたが、実は毎日の牛乳の背後には「残忍」なプロセスがあったことが発覚。

牝牛は2歳になると子供を産めるようになる。おっぱいは妊娠後の親からしか出ないから、牛乳を取るために牛は毎年連続して2年〜4年妊娠させられ、子供が生まれても1週間で引き離す。(オスだったら肉牛用に外にだし、メスだったら手元に残す。)

そして、妊娠できなくなった時点で、お払い箱(ミンチ用の牛となる)、ということだ。おっぱいを取られる牛は固定されて、一生を終えるようだ。(季節や農場によっては放牧するところもあるかもしれないが)

中国で熊が可哀そうだという世論が盛り上がるのは、やはり新しい。
世論の監視が入り、この会社の熊の生存環境が改善されたのも好ましい。
と同時に、本質的にはこの熊も、あの牛も同じではないかな〜と思えてくる。
人間は動物を殺生して、活かせてもらっているのだ。
都市生活ではすっかりそういう感覚がマヒしている。