岩松曰く89年の希望は進行している

CCTVの有名アンカーマンの白岩松が最近米イエール大学でしたスピーチが微博で回ってきたので見た。
68年生まれの中国の若手良識派ジャーナリスト。ユーモアを交えてなかなか立派だ。
印象に残った箇所だけ。

▼89年の希望は死んでいない:
89年自分は北京で学生だった。国家と将来への熱い希望をもって単純な思いから参加したが、事件後は絶望した。中国にも希望が無いと思った。でも10数年経ってから振り返ると、あの時の希望、期待は事件(の弾圧で)絶たれたわけではない。政治改革、民主化を含め一歩ずつ進行している。将来も更にそれが進むと共に注目、期待しよう。

▼誰でも自由を望むもの:
人間にとって生命への尊重、自由であること、民主的であることは国境を越えて大切。

▼米中ジャーナリズムと誇張・矮小化:
中国は望遠鏡でアメリカを見て「すごい、いつになったら中国もこうなるのか」と思っていた一方、アメリカも望遠鏡で中国を見ていた。が、この望遠鏡の持ち方が反対だった。「中国は又こんなに問題だらけ」としか逆に見えない。お互い望遠鏡ではなく、顔を合わせて自分の肉眼で相手を見て伝えるということ、それが自分の夢でもある。

▼米中ジャーナリズムの長所:
ジャーナリストは米中の違いを超えて皆、事実や関係者への尊重、社会的影響への責任など根本では同じ。でも一歩先を行っているアメリカのジャーナリズムからこの点で中国は学ぶことが多い。

一方アメリカのジャーナリズムが中国から学ぶことはあるか?実はある。中国は変化の速さや極貧地域から豊かなところまであり、非常に複雑。この巨大な複雑さの中で理解、判断していく、ということは中国のジャーナリズムに学ぶ点かも。

▼自分の生きてきた道とその背後のチャイニーズドリーム
68年に自分は辺境の田舎に生まれ、父にも先立たれ母一人に絶望の中で育てられた。中国の教育や受験制度は確かにいろんな問題があるが、自分のような人間が北京の大学に上がれるチャンスをくれたのもこの制度である点は認めなくてはならない。中国はこうした一人一人の夢を実現する形で今まで歩んできたのだ。かた田舎の人間が人類の式典のオリンピックの感動を生中継する、と言う夢は中国という国で起きた。

→China`s extreme complexty を理解して判断していく仕事は難しい。まさに中国を伝える上で日ごと感じている点だ。こんな人もいて、こんな人も支持されているのが本日の北京である。