結婚産業大ブーム

女性が結婚式を夢見るはどこも同じ。中国でも今や、結婚式が大ブームだ。

経済力の上昇、ベビーブーマーの適齢期の到来、一人っ子だからこその「家意識」への回帰、そして変わることのないメンツ重視の伝統と国境を越えた乙女心などなどで、今中国で、結婚産業は年間消費総額3000億元の一大産業に急成長している。

結婚業界自身の統計なので、誇張気味ではあるが、2013年には5000億元に急増すると予測。

中国で結婚専門の「婚慶」会社が登場して急成長したのはごく最近のこと。70年代は毛沢東の肖像の前で証人夫婦に付き添ってもらって愛を誓って終わりだったという。それでも、かなり貧しい時期でも100人規模の親戚友人を集めて食事をしていたらしいから、中国では結婚式を盛大に祝う伝統文化が日本より色濃く残っている。

この結婚サービス会社はいま、雨後のタケノコのように増えており、北京で登録企業が276社、うち、サービス可能なのは60社、更に長期的に経営能力がありそうなのが30社、ブランド力、一定規模をもっているのは10社のみという。この分類もまた中国の混乱ぶりを示していて面白い。

11年の業界統計では、全国都市部のカップルあたりの平均支出は6万2620元。大都市の北京、上海あたりではこの倍位だろう。一番かかるのは日本と同様食事代で3万4120元。そのあと、宝石1万2000元、衣装6000元、司会・楽団3800元、写真撮影3000元、レンタルか―1700元、その他2000元という。

結婚式の加熱化で、関係者は「若いカップルはもっと理性的に、身の丈に合ったカタチで。盲目的な競争・張り合いは避けよう」と呼びかけている。

「房奴」(家のローンの奴隷)、「hai奴」(子供養育の奴隷)に続いて「婚奴」に陥らないように、と。