先生、床にノートを投げないで

「先生に勝るママ」はいつも穏やか波風を立てずに中国の現状で子供をどうにかよりよく教育しようといろいろ工夫をしているのだが、さすがの彼女もはっきりと「ノー」を出した。

自分の娘が小学校4年生の時、算数で習った「定義名」2〜30個を抜き打ちでテストし、できなったのをそれぞれ10回書かすと言う宿題が出た。明らかに学習というよりも「懲罰」だとして、さっきは隠れて子供の宿題を代行すべきといっていたママもここでは「ノー」を発令!

娘は1回づつしか書いて行かず(娘は優秀で全部できるのだ)、翌日立たされ、更にその数倍の懲罰宿題を出されて戻ってきた。このママは翌日先生に話しに行く。先生は一発触発で今にも爆発しそうな険相だったという。とにかくこの聡明なママの交渉レベルの高さゆえにこれ以上娘にこの宿題を追求しないと言うことに先生を合意させた。

この先生30〜40才の女性教師、ママは鮮やかにもこう分析する
「先生は主観的には算数を良く教えたいのだが、文化レベルが浅いため―それは話しの中で明らかだった―力不足でできない。自分の学習能力が低い人間は他人にいかに学ぶかを教えることはできない。そのためばかげた方法で教えたり、心底は自信が無く卑屈なため変態的な方法を取るのだ。」

この先生は「宿題を生徒にかえす時良くできた生徒には手渡しで渡すが、間違えがあった時は床に落として、子供に腰を曲げて拾わす。間違えが多い時は床に落としたうえで生徒の顔をつねる。」

と言うから驚きだ。

ところがこの行為、中国ではかなり日常茶飯事だ。初めて聞いた話でもなく、実は私にとっても他人事では全然ない。(涙&憤慨)スーパーママの指摘を待つまでもなくこれは確かに「変態」行為だ。

能力のない人が厳しいノルマ(クラスの平均点)管理の圧力のもとで教壇に立っているからこそおこる矛盾。多すぎるばかげた宿題と不服従な生徒への有形無形の暴力。

中国教育の問題の真髄はこのへんにありそうだ。