嫁さん失踪で16万元をかえせ!−農村では現役の「彩礼」をめぐる裁判

4月4日京華時報(7面)には「新婦彩礼を受け取り失踪、欠席裁判で、返済求められる」と言う小さい記事が出ていた。

彩礼とは新郎家から新婦家への結納金のようなもので、農村では今なおずっとこの習慣が残っている。この10年の物価の上昇とおそらく女子の減少に伴い、この金額はうなぎのぼりに上昇している。(たとえば、ある地域では10年前にはたった4000元だったのが、8年前には6万元に増えたという。)

この記事の河南省の二人の場合はなんと16万元!というから驚いた。当時21歳の陳君一家が22歳の麗さん一家に求められて、2009年に付き合って2カ月目で結婚の話となり、支払ったのがこの16万元だ。

二人は(晩婚を奨励する政府の規定年齢に満たず)役所には結婚届けをせずに事実婚で2カ月少したったところで、些細な喧嘩の末、麗さんが失踪。陳君は仕方なく裁判所に持ち込んだと言う。

裁判では、陳君の訴えが認められ、16万元の返済請求が出されたという。しかし、中国の裁判の悲しさよ、本当にこのお金が陳君の家に返済されるかは別問題だ。

「彩礼」は、元々「財礼」の意味で、ぶっちゃけた言い方をすれば、お嫁さん代に当たる。お嫁さんは現金と交換で新郎家に来たら子孫を産んで、老人の面倒をみることが求められる。嫁さんは自分の家に買ってくるものだから、当然新居は新郎一家が提供する。

別の記事にはこの習慣が今、都市部で形を変えて大流行していることを書いたばかりだが、奇怪だ。(都市部の新婦は男に結婚に当たって家・アパートの購入を要求するという風習。)

昨日乗車した運転手も大卒の娘がいて、月給3〜4000元の仕事はメンツが立たないからいきたくないと言って、家に居て困るという。

結婚では、「そりゃ、勿論何て言ったって、家のない男のところへは嫁には出さない。」ときっぱり。私がそうやって親が介入するのは、元々は子供の将来を心配してではあっても、結果としては二人の関係を傷つけることになりかねないと力説すると、降りる頃には、そうだ、親は介入すべきじゃない、と納得してくれたが、今どきの結婚はまた、彩礼やら、家やらと再び財産交換の匂いが強くなっている。

結婚したカップルの3分の1が離婚するというめちゃくちゃ高い離婚率の背景には、結婚の数値化や感情的基盤の希薄さと軽視があるのじゃないかいな、と思ってしまう。

これ、本日の北京なり。