凧売りおじさんの「企業家精神」はスタンフォード並み

Tina SEELING 教授著、スタンフォード大学の企業家精神に関する集中講座(「20歳のときに知っておきたかったこと」という本がベストセラーになっているので読んでいる。

この一番初めに「5ドルの挑戦」というプロジェクトがある。チームになった学生が封に入った5ドルを決まった時間以内にどれだけ増やせるかを競う。その中で、シーリング先生が良い工夫の例と挙げているのに、レストランの並び屋をしてお金を稼いだチームが出ている。なるほど、人気レストランの長蛇の列に電話で予約を入れておいて、すぐに入りたい客にそれを10ドル、20度ドルで売る、と言うわけだ。

こんな「創造的」な企業家精神を教えるシーリング先生に是非報告したい「工夫例」に昨日、公園で出っくわしたのでご紹介する。

芝生の広場では家族連れが皆凧を上げている。ところが周りには結構木がある。危ないなあ、引っかかるぞと自らの苦い経験を思い起こしながら見ていると案の定木に引っ掛かって困っている人がいる。

すると、収納できるタイプの釣り竿を持った人が登場。あっという間に引っかかった凧をツンツン突ついて無事救出。随分好都合なこったと思っていると、凧の持ち主が釣り竿おじいさんに10元支払っているのが見える。ふふ〜ん。このおじいさんは凧を売るだけでなく、木に引っ掛かった凧救出の商売もしているのだ。

ニーズのあるところには商売あり、とはこのこと。このおっちゃんはスタンフォードの授業は必要なさそうだ。これ、企業家精神が満ち溢れる北京の休日の風景なり。