露店取り締まりを囲む庶民の温度

今日の新浪ネットの動画のトップに「実録:鍋蓋で露天商をなぐる警察」がでている。横暴な取り締まりをする警察と屋台との流血事件だ。

雲南省の雲南大学で雲南ビーフンを売っていた屋台が、街の警察(公安傘下の城市管理隊、通称「城管」)に取り締まられて、罰金(通常50元なのにどういうわけか200元)を拒否したところ、リアカー没収の目に遭い、拒否すると、5、6人いた警察が寄ってたかって殴りかかり、流血。電話でSOSを求める屋台の奥さんにもパンチを食らわせた。商店主も自己防衛と匙で警察を殴り返し、警察の一人も頭から血。という映像が新浪のトップに張り出されたのだ。

昨日、我が家の下の通りでも露天商一斉取り締まりがあった。昨日はいつもより大規模でトラック数台、20人近くの警察がおり、デブの果物屋や雑貨屋の倉庫用バンなどあちこちで取り締まっている。アパートの外壁を出てすぐのところにいつも陣取っている真っ黒い顔をした小柄の50過ぎの廃品回収のおじさんは、人影にちょこんと隠れながら自分のリアカーと買い取ったごみがトラックに積まれるのを見ていた。私がこっそり要らないの?と聞くと小さい声で悔しそうに「不要了、不要了」と下を向きながら吐き捨てた。一日いくらも稼げないであろう彼にとってこの打撃は何日分の稼ぎに相当するのだろうか。

雲南省の報道も題からして、明らかに屋台に同情したものだ。昨日の我が家の下の取り締まりでも、露天商はここの住民が普段から買い物をしている顔見知りばかり。皆心配そうな顔をして「あ〜ああ」と見守っている。反抗する人こそいないが、皆が警察へ注ぐ眼は冷たい。

公安も「へま」はしまいと、観客を意識した様子で一昔前より随分丁寧な口のきき方をするようになった。横暴な態度にでれば、庶民の怒りに火がつく。
黙って没収を見つめる冷やかな市民の視線に、緊張感が走る。

これ、本日の北京なり。