靴下を穿かない寒がりのおじいさん

もうすぐ米寿を迎えるおじいさん。

やせ気味で体は脆弱、いつもとんでもない厚着をして風に吹かれたりして体を悪くしないように守っているのだが、初夏のこの日、足だけは裸足である。

「夏は靴下ははかない」と長袖にチョッキ、薄手のジャケットを着ながら、半そでシャツの私に言う。私の頭には???が浮かんだが、これには彼の歴史があった。

子供時代に靴下は言うまでもなく、靴さえも穿いたことはなかった。

当時はすごく貧しくて、父親も家族皆一年中裸足で、自分も高校を卒業して地元の小学校の代用教師になるまで、靴を穿いたことは無かった。その頃、靴を穿いているのは地主の金持ちの御子息やお嬢様だけだったとか。

冬になると、かかとが乾燥して割れて痛かったが、当然そんなものだと思っていた。
夜寝るときに、足を洗ってスリッパで布団まで行って寝たらしい。

こういう人が今の中国を作ってきたわけだ。
靴下一つにもいろんなエピソードがある。

これ、本日の北京なり。