民族グッズの苦悩

今日は久しぶりに中国の民族グッズを商品化して販売している社会貢献企業の知人に会った。

元々貴州省のミャオ族の手仕事に魅せられ、素晴らしい民族文化をビジネスを通じて保護・伝承したい、とこの企業を立ち上げ、来年で10年になる。

ミャオ族藍染をあしらったアイパッドカバー(360元)やシルクスカーフなどが売れているという。クライアントは招商銀行など、結構大手企業や団体がいる。政府機構や、基金会なども贈答用で100個単位で買ってくれるという。今年の売上高は100万元に達する見込みとか。

確かに、これはかなりオリジナルなギフトだし、品質に関しては日本を目指しているだけあって高いからお勧めである。

問題は彼女も言うように、デザインである。

彼女が「売れている」という新商品は私に言わせれば今一歩「土」。
でも、考えてみると、少数民族本来の模様と言うのはものすごく自己主張があるので、日用品にはなじみにくい。

彼女の既成商品で一番垢ぬけて見えるのは(ブリティッシュカウンシルも買ったという)山東省の手織の布ストールだ。癖がなく、手仕事のぬくもりがあってとてもいい。

しかし、もともと、少数民族の文化伝承を目指していたわけで、デザインを洗練させてしまえば、はっきり言って少数民族に発注する意義も無くなってしまう。

手仕事が少しでも農家の現金収入につながれば良いことだし、消費者にとっても丁寧に作られたものは良い。少数民族の文化も伝承してもらいたいが、真面目な商品には不向だ。
少数民族グッズはそういう意味でとかく難しい〜と坂道を登りながら、我も考えたわけである。

とにかく、こういう仕事をしている人がいる。
そして、銀行員のOL達も「中国の伝統モノを楽しめる審美眼をもつようになり」市場は急速に広まっているという。これ本日の北京なり。