北京のデパートにて

いつもは動物園の地下卸売で35元のH&Mアウトレット物のカットソーなどを買っている私だが、今日は「高級」なパークソンデパート(百盛百貨)に行ってきた。

目的はダウンジャケットだったが、その店の品は確かに生地も作りも悪くないが、3500元。(4万6000円相当)「高いなあ〜」と思いつつじっくり見ているときれいな店員が2,3人やってきて言う「これはとてもお買い得ですよ。値段も高くないし」と勧める。

確かにその店では4000〜6000元位のジャケットがごろごろしているのだが、ちっとも「安いから買う」値段ではない。

ふと別の客を見ると、一見して「爆発戸」(成り金!)。50代の夫婦と一人おばさん、更に娘らしき30歳前後の女性と合計4人。3人のおばさんおじさんは「土」(ダサい)というか、都市とは明らかに違う出で立ち。山西の炭鉱社長かどこか地方の汚職役人に違いない。北京のこぎれいで気の強そうな店員がこのイケてない成り金にあれよこれよとおべっかを使ってサービスしている風景は何とも新しい。

もう一軒別のベルサーチの親戚のようなVESAS尚唯と言う店を覗いた。95年創設、社長は中国人、生地イタリア、デザイナーもイタリア人だそうで、マックスマーラ風で確かにイケている。ホワイトグース90%、ダウン150gとかなり厚手で頼りになる1着を発見。1割引き後2400元(3万1000円)と安くは無い。色が暗いのとチャックがひっかかるのが気になって30分くらい着たり脱いだりして迷ったが結局買わずに戻ってきた。

かつてはあからさまに中国の庶民より金持で特権階級だった私も今となっては「お買い得」商品にも手が出せない一庶民である(誰も私が日本人と気付かなかった)。私のダウンジャケットの旅はまだ続く。