北京は最高のサイクリング都市!

今や世界的なサイクリングブームだが、中国も例外ではない。今日は北京初のサイクリングカフェのSHANONさんを訪ねた。

1)北京は最高のサイクリング都市!
北京は意外や意外、サイクリングに適した都市と言う。NYもサンフランシスコも郊外までの距離が遠いが、北京は1時間半で山に行ける。そして夏は湿気がなく風もなく郊外は空気も良い。更に郊外の道は皆新しくコンディションは「驚くほど」いいという。

なるほど。市内の道はボコボコのイメージが強いが、郊外に行って国道などを走ればかなり良いということらしい。空気も市内は最悪だが、外に出れば良いと。これは実に新鮮だ。

2) 中国にも押し寄せるサイクリングブーム、コアは30歳以下の中国ヤンエグ

現在彼の店のクラブのメンバーは外国人と中国人が半々、いずれも30歳以下。中国人はデザイナーやマーケティングなどクリエイティブな業界人の
ヤンエグが多い。男女比は7:3で男性が多い。

彼曰く、サイクリング熱はメルボルン、NY,ウィーンなどで進行している共通した動き。これまでの資源や空間を浪費する車社会の問題に対する新たなライフスタイル。
さらに、環境面でもゼロカーボンの思想が普及している。アメリカでも近年免許証の取得人口が25%も減少した。車の購入が若者のステイタスだった時代は終わり、
世界的な車離れの動きがある。

北京のサイクリング熱はこの2,3年始まったばかり。今後5年でかなり大きくなると予測している。中国でブームとなっている要因は、海外同様にエコで健康という側面以外に海外の最新のライフスタイルを共有しているという「おしゃれ感」も大きい。だから自転車も台湾のメリダやジャイアントより欧米ブランドを好む。

北京大学のサークルで、サイクリングクラブは2番目に大きい団体になるほど人気が高い。

3)スポーツサイクリスト市場
中国で2000元以上の高級スポーツ自転車市場は始まったばかり。店では1万2000元〜5万元の高級スポーツ自転車を置いている。
中国市場の最大手は米国のTREKとSPECIALIZEDの2社。
これらはかなり早い時期から中国市場に参入し、ショップを核としたイベントやプロモーションを展開している。メリダやジャイアントなどの台湾ブランドも売れているが
高級自転車では欧米志向が強い。日本のシマダも中国市場に浸透している。

4)脱車社会、自転車社会の促進イベント
店ではビジネスと長期のプロモーションを兼ねて様々なイベントを実施している。

●夏には日曜に人と自転車をバスとトラックで移動し、郊外に行き、5キロ、20キロ、100キロのコースを走る。子供用や子供を乗せられる自転車もレンタルするので、多くの家族連れも参加する。走った後皆でバーベキューをしたり、1日楽しめるイベント。自転車の楽しさを体感してもらい、長期的にはサイクラー人口を増やすのが狙いだ。

●北京の街角を一緒に自転車で回りながら橋の下や大きな壁に5分のミニフィルムを映して皆で鑑賞する文化イベントも実施。

●30秒で固定自転車で誰が一番多くの距離を走れるかを競うPKを実施。音楽フェスティバルやバーのイベントとしても人気。前回のPKでは約200人が参加した。

●万里の長城自転車ツアー:8時に市内の店を出発し万里の長城までの120キロをサイクリングする。10時到着、帰りはバスという半日ツアーを実施している。
費用はツアーアテンドが600元、自転車レンタルが600元(持ち込みの場合はただ)

5)シャノンさん
オーストラリア人のシャノンさんは元々上海で設計士の仕事をしていた。奥さんで北京っ子のジャオさんと知り合って10年。オーストラリア帰りのジャオさんは通用で働いて
いたが、二人で会社を辞めて今年の夏、北京の下町にサイクリング店とカフェを合体させたSERKを開店した。また、二人は脱車社会、自転車社会を促進するNGO、「SMRTER THAN CAR」を設立。自転車文化についてレクチャーをしたり、元建築家の経験を生かし、自転車を核としたアーバンプランニングを提案している。

こんな店とそれを支える人々が出現、これ本日の北京なり。