軽薄だけど軽視できないデジタル記念日

最近中国はネット上のデジタル記念日のオンパレードだ。

11月11日の独身の日が大ブレイクしたばかりだが、早速昨日は12月12日(1212はヤオアー・ヤオアー)で中国語の「要愛要愛(ヤオアイ・ヤオアイ)」にゴロをかけて、愛を告発する日とか。

このほか、まだまだある。
2013年1月4日は1314の音に掛けて「(愛NI)一生一世」でこれも恋人の日。来年のこの日に結婚登録をしようと、今から予約がいっぱいとか。

これは、歴史も内容も何にもない単なる語呂合わせの遊びの記念日。さらに言えば日本同様これを推進しているのはこれを商機にすべくセールを仕掛けるビジネスマン達だ。

思えば、日本でも曲解された「記念日」はかなりある。日本のクリスマスは本来の家族で祝う宗教的な日から、なぜかケーキを食べて恋人とロマンチックに過ごす二人の日になっている。

本来恋人が「相互に」祝うはずのバレンタインズデーも、日本では女性が「一方的に」男性にチョコを贈る日に変形して定着している。その他、母の日、父の日などもいずれも日本には無かった記念日で商業色が強い。

比較してみると性質は同じだが表現が違う。日本のは曲解だが、中国のはでっち上げに近い。それでも、中国の軽薄な記念日を馬鹿にはできない。ものすごい商業効果を生み出しているからだ。

タオバオの12月12日、1日の売上総額は43億8000万元という。上位5位はレディース衣料(10億元超)、家庭用品(5億元)、デジタル製品(4億8000元)、メンズ衣料(4億元)。そのほか、ベビー用品、靴類、化粧品、下着やレストラン券、映画館チケット、穀物などありとあらゆる商品がこの日のセールで売れた(TecWeb 12月13日)。

こんなのが流行るのも微博などの文字コミュニケーションが流行っていることや吉日を重んじる中国文化などの背景があるだろうが、何と言っていも創造力と商魂たくましいネット通販達の貢献が一番大きいだろう。

記念日マーケティングが今、中国市場では花盛り。来年はどんなトンデモ記念日が登場するのだろうか?
これ、本日の北京なり。