危機一髪、怖い誘拐の話、うそか真か

中国では誘拐犯がしょっちゅう出る。

90年代に学生だったとき女の子と二人で旅に出るというと山東省の田舎出身の男子生徒が真剣に「誘拐されるぞ、危険だぞ」と忠告してくれたのだが、全く信じられなかった。

子供の誘拐は、北京動物園などでもあり、着替えさせて髪型まで変えて連れ出すという怖い手口についても聞いたことがあったが、「まさか」と言う思いが消えず、どうもピンとこなかった。

ところが「やはり、これは現実だった?」という情報が微博上に:
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「数日前、ハルピンの大手スーパーのカルフールで4歳の男の子を連れたお母さんがレジに並んでいる間に子供が失踪。スーパーに助けを求めたところ、カルフールは即座に出口を封鎖し店内を調べたという。

この賢く素早い対応でこの4歳の男の子はトイレで発見された。しかし、発見された時は既に服も着替え、髪の毛も切られていたと。」

間一髪で誘拐を逃れたというわけだが、勿論犯人は捕まっていない。スーパーの対応があと一歩遅れていたら?と考えると背中が寒くなる。過保護にしたくないと、周りの中国人の心配をよそに、子供だけで行動させている私だけに、この恐怖は更に迫ってくるものがある。ここには深く暗い底なし沼もある。
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と書いたものの、13日の昼に中央や広州など地方の公安各所が「これはデマ、転送しないように」と微博に書いているのを発見。言われてみれば、カルフールが瞬時にドアを封鎖した、というのがどうも出来過ぎのような気がする。やっぱりこれは嘘だった、そう信じたい。

少なくともこんなことが囁かれて、信じられて、混乱している。
これこそ、本日の真の中国なり。