変わった中国の選挙報道

自民党圧勝、維新の会が第3党と大きく保守派・タカ派路線に地殻変動した今回の選挙。中国と違って国民に投票権があるのに、結局日本の大人はこういう政府を選んでいる。責任を感じる。

さて、中国の報道ぶりはどうか?かなり変わっている。

  1. 日本の民主選挙のシステムを説明する記事が散見される。これは新しい。
  2. これまでの、「日本、さらに軍国主義化する」というようなセンセーショナルな見出しは一切カット。尤も本音と思われる新華社の日曜の社説でも:「自民党が領土問題で軍事費を増やし強硬な態度って右寄りの選挙民に歩み寄るのは悩ましいサインだ」と警告した(china daily 17日p1)程度。
  3. 中国にとって関心があるのは外交、中でも領土問題だけのはずだが、その扱いは非常に少ない。
  • 人民日報の国際面の分析記事でもNTが、ロイターが、BBCがこう言った、日本の選挙民が心配しているという言い方で、直接中国政府が阿部の政策を批判するのは一律控えている。別の人の指摘として、「領土問題の強硬姿勢が中国との関係を悪化させる、憲法改正などは日本国民の反対を受けるだろう、日本の右傾化はアジア各国の憂慮を深める」、と言う言い方をしている。
  • 逆に、尖閣以外の争点を紹介。エネルギー問題、消費税、日米同盟、憲法改正など他の選挙テーマについて詳細を紹介している。
  • 石原についても扱いはほとんどない

とかなり理性的にトーンダウンしている。これまでの共産党チックな軍国主義批判から脱皮してもっと抑えて、国際的な批評に近づいている感じだ。

総じて、投票率の低さは国民の失望、仕方なさを、自民党も民主党の失敗故に消去法で選ばれたということ、全体には日本の右傾化、などが指摘されている。

と言ったものの、やっぱり人民日報の評論では、伝統的なストレートな批判が載っていたのを只今発見。でもこんな直球はここだけ、一般紙はかなりあっさりである。

これ、本日の中国なり。