中国の田舎の苦痛

昨日、中国の農村に長く伝わる素朴な伝統工芸を取材に行った友人の話。

中国のきれいなもの、素敵な歴史のある小物を求めて田舎に行くたびに、思いがけず中国農村のドロドロの
現実にぶち当たるという。

この取材でも農民に伝わる素朴な工芸品を作る人間国宝の承認を受けた70過ぎのおじいさんを山東省に訪ねた。
人間国宝というからには、まずまずの生活をしていると思っていたが、行ってみると驚くほどの貧困農家だった。
それだけならまだしも、本来中国の文化省が伝統工芸の伝承と促進のために設けている人間国宝への手当が全く本人に渡されていないことが判明。本人は文盲でその補助金の存在さえ知らなく、そんな苦しい生活を見かねた息子は天津に出稼ぎに行ってしまい、人間国宝の技は受け継がれていないらしい。(村にはほかにも何人かほかに同じ工芸品を作っているひともいるらしいが)。

これはどう考えても間違っている。
問題を指摘し、批判するのは当然でありまた簡単だが、行動するとなるとこの汚職、一体どこから手をつけたらいいのか?

もう少し透明度を増すように情報公開などを下から要求して促進するなどあるが、これは全社会が根ざしていて、その根っこがグルグルに絡まり合っているので、腐った針を一本抜いて解決するようなものではない。

考えると頭が痛くなる、これ、本日の中国なり。