「消費者の権利保護」に大きな疑問!今年の3・15

昨日は中国人なら誰もが聞いたことのある「3月15日、消費者保護デー」である。そしてその日のメインイベントと言えば中央テレビの3・15スペシャル番組。毎年消費者の権利を守るために、正義の味方として悪徳商法で儲けている悪き企業の実態を告白して追求する特別番組を放映。

ここでつるしあげられると会社のその後の売上に響くため、企業にとっては、3・15前は緊張する。

ところが、昨日はこの番組自体が「ニセ」であり「悪徳」ではないかと視聴者から突き上げれる予想外の展開となった。

これまでも、この番組では、マクドナルド、フランス系大手スーパーのカルフール、など国際的な大手が狙い撃ちされてきてはいるが、何と今年はアップルがターゲットとなった。

当番組はアップルのコンピューターの補償条件がアメリカでは2年で中国は1年、さらに、iphoneは米国では、全品新品と交換するのに、中国国内ではカバーは古いままで、一部の修理だけだった、カバーを新しくするには別途580元かかるという男性の訴えをリポート。これは、傲慢で横柄なアップルの中国人消費者への差別だというストーリーだった。

このタイプの問題はこれまでも大手が標的にされて何度となくやられている。東芝のノートブックパソコンが海外の補償条件より中国国内の条件は劣っている、中国人をバカにしている、と大問題になったことが過去にもある。東芝はその時、相当の痛手を負ったはずだ。

この報道が放映されたのが夜8時ごろ。するとその後、微博で援護射撃のメッセ―ジが有名人から発せられた。ところが、このメッセージの最後に「8時20分に送信」というメモが残されていたのだ。

微博市民たちは、この変なメモを見逃さなかった。そして行きついた結論は「やらせ」である。本人はその後「僕の微博アカウントを誰かが勝手に使って、知らないメッセージを出された」と言い訳したが、もう後の祭り。

15日の夜の微博のキャッチワードは「8時20分に送信」となり、そもそもこの番組自体への批判で微博はいっぱいになった。

実に正しい批判は「これはアップルの宣伝以外の何物でもない。補償期間中に本体カバー以外は全て新品と交換。他の携帯メーカーでこんなことできるか?」という。その通りだ。

この他にも消費者権利保護キャンペーンがヤクザのゆすりのように、もしくはライバル会社への嫌がらせ手段となりつつある、そもそも、攻撃対象の選定が恣意的で、本当に庶民にとって必要なミルク、水、電信、ガソリン、銀行など国営大手の独占による値段のつり上げなどは全く取り上げない。というごもっともな指摘があった。

ネット市民は確実にグローバル化している。
これ、本日の北京なり。