タクシー談義

今日も面白いおっさんの車に乗った。

文革の時に10歳だったと言うから55歳くらいのおじさん。奥さんから帰ってきてご飯を作れという電話がくると「西直門、すぐ帰るって。切るぞ」と言って電話を切った。

今夜のおかずはニラ餃子。餡は卵でなく肉。味付けはショウガ、塩、しょうゆ、味の素、ごま油だ。味噌とネギは普段は使うがこれには入れないという。タクシーの運ちゃんは皆料理上手で良く教わる。

「中華料理はおいしい」と言うと、それは、中国人は皇帝においしい物を作らないと首を切られたから、そう迫られたから止むを得ずおいしくなったという。なるほど。

習がタクシーに乗ったという話からどういうわけか、「北朝鮮は素晴らしい」と言いだすので、私は「あいつらは流氓/リョウマン(ならず者)国家だ」と言ったら、本当のならず者は「老毛」(毛沢東)だと言い返してきて話題は毛沢東に。

60年に餓死したのは公式の数値でも3000万人、日本軍が戦争中に殺した数でさえ1200万人。毛が文革をやらなければ中国も20年も遅れることは無かった、自分が皇帝になって皆を殺した、と。

でいろいろしゃべるうちに不正確な発音に気づかれ、
「福建人か?」と聞くので
私:「もっと東、海を渡って」
「じゃあ、台湾か?」
私「いや、日本だ」と言うと驚いて
「ああ日本人か。尖閣島は中国のだ」という。

「尖閣島を持ちだして騒ぐやつは嫌いだ、そもそも庶民とは関係ない」、と言ってやった。

それでも、半分ふざけて「いや日本と戦って、日本からお金を取るんだよ。俺はお金がないかならな」などとほざく。「死ぬのはあんたんちの子ども達で、お金なんて国には入ってもあんたには分けられないよ、これだけ汚職役人がいるんだから」とも言っておいた。おっさんは黙っていた。

にこやかにお互い挨拶をして降りたが、しゃべっているうちにまたレシートをもらうのを忘れてしまった。今日は財布も忘れるし、どうも頭も春のようだ。

これ、本日の北京なり。