伸びる韓国に距離を置かれる日本

本日の時事速報には2本韓国関係の記事がある。一本目は言論NPOと韓国NGOが実施した世論調査結果で、日中韓の重視、距離感と将来像を韓国人に聞いたところ、中国重視がくっきりとでた。
―重視は「より中国を重視」が35.8%、「より日本を」はたったの9.3%。
―親近感は「中国により感じる」が36.2%、「日本により感じる」は13.5%。
―今後世界政治をリードして行く国は中国が71%と米国並みだったそうだ。

もう一本はサムソンの国際戦略に関する中国野村総研のレポートでこれもおもしろい。
何でもサムソンは人材第一、国籍を問わず優秀人材をという方針を90年に打ち出して、さまざまな研修などを実施。3カ月の語学研修後自分の行きたい国にぶらっと行き、そこで語学研修などをしつつ地元の生活をする研修制度があるという。レポート提出が義務らしいが書式や方法は自由とか。

また、欧米系ビジネススクールから優秀な人材を韓国で研修させるプログラムもあるが、2,3年の現地研修の後は自分の希望分野と勤務地を決め、将来の戦略家になってもらうという。

私が感心したのは、早い時期に韓国人にこだわらない人材育成ビジョンをだしていたこと、そして、人材育成の中でも本人の希望勤務地や分野、レポートの素材、方法などを取らせて自主性を尊重している点だ。

このレポートを書いている野村の中国人研究員も≪それに引き換え日本の企業の海外挑戦意欲は低迷傾向で、海外人材も豊富とは言えない…≫と言っているが確かにその通りだろう。

サムソンは今中国でもものすごく伸びている。携帯では日本勢は0なのに、同社はアップルをしのぎ堂々1位だ。

中国が問題をはらみつつも巨大化するのは避けられない事実であること、韓国はそれをもっと近くで落ち着いて見抜いているのに、日本は「そうならないでほしい」という希望的観測でいつまでも曇ったメガネのままだ。企業レベルでは、韓国といえどもかなり国際化してる。

日本にも日本企業にも頑張ってもらいたいが、まずは中国のこと、韓国の事を冷静に公平にちゃんと見ることだろう。自分だけがアジアのトップという上目目線を捨てないことには、現実についていけない。捨てられるのは日本である。

憂国の思いにふける。これ、本日の北京なり。