中国銀行よ、お願いだから私の金を引き出させて

最近は中国もいろいろだけど、郷に従えばでうまくやれば、それなりにどうにかなる、なんて事を言っている当方だが、久々に「厳しい」中国と直面した。

中国銀行での出来事だ。

2005年に入れたっきりにしていた中国銀行のドル預金をいよいよ引き出そうと思い立った。私は公用とかいろんなパスポートに切り替えたので、手元に5冊くらい過去のパスポートがある。それをすべて持って銀行に出かけた。

銀行窓口の兄ちゃんは散々いろんなデータとパスポートを調べた挙句教えてくれた。2005年の口座を開いた時のパスポートはこの5冊のいづれでもなく、事もあろうに手元にない(会社に返却した)一冊のXXだという。この際、唯一の方法は「XXは自分である」と日本大使館から証明を出してもらえば良いという。素直に「それではそういたしましょ」と三元橋の大使館まで行って同一人物証明を160元支払ってもらってきた。

先週はそれを持って、1万ドル引き出す旨を事前に予約して参上。待つこと1時間、ようやく窓口に座ってその証明を出したところ、本日担当の女性行員は不機嫌そうに、
「この番号じゃない」という。
「ええ〜あの日、あんたたちがそう言ったんじゃん!」とかなり動揺した私が崩れながら言っても
「私じゃない、私は知らない、」といつも通りの涼しい顔で対応
「じゃあ、どのパスポート番号の証明を取ってくればいいのか?」とぐっとこらえて未来志向で聞いたが
「あんたが本人という証拠がないからそれは言えない。」と言い放ち、さあ帰れ、という態度だ。このままじゃ、永遠にお金を引き出せないじゃないか!!

これには私もブチ切れて、大声でどなり散らすしかなかった。経理を出せ〜と叫び、少し上のおっさんが現れてすったもんだしているうちに、前回「違う」と拒否された旧パスポートをもう一回みせたら、「これだ、早くこれをだせばよかったのに」というではないか。何でもいいから、早くお金を下ろしてもらいたい私は怒りを抑えて待った。

1万ドル下ろしたい、と言っているのに、今度はどこからか電話がかかり、「一度全ての預金をわが支店に移して、そこから1万ドルを引き出し、そのあと、再び全てをあなたの口座に戻すので良いか」と言ってくる。

何で支店におカネを移すのか?危険じゃないか。「厭だ」というとまたすったもんだ。そのあと分かったのは、規定では、引き出し額は1万ドルを1毛とも超えてはならない。しかし、彼らのシステムでは、私の2005年に預けた預金にいくら利子が付いているのかおカネを引き出すまで計算・提示されない。だから、どっかに一度出して合計額を確認しようと思ったらしい。何と遅れた銀行システムなのだろうか。スムースに好きな額だけおカネを引き落とすことさえできないなんて!!

結局9000ドルに減らして引き出したが、これにかかった時間、訪問3回(中一回は人が多くて断念)、今回1時間半、そして大声。最後はなぜあの時私が怒ったかをおねいさんに説明して、気を付けてと言ったら「はい」といっていたが、もう何で私のお金を引き出すのにこんなに大変な思いをしなくちゃならないの?

因みにこのお金を他行に預けに行ったら、こちらも1日にできる預金は5000ドルまでだって。久々に中国の「厳しさ」に体当たりし、体力を消耗した。

これ、先週の北京なり。