中国の50年代の結婚風景

昨日は私の大好きな老夫婦の家を訪ねいろいろ話を聞いた。

その中で彼らの馴れ初めと結婚式の話も聞いた。何と質素なことか。
彼らが結婚したのは1956年のこと。

その当時中国では市以下の幹部が恋愛をすることは規律で厳しく禁じられていたため、彼らは1950年に同じ単位で仕事をしていたが、交流することもほとんどなかったという。

ただ、朝鮮戦争で2年近く留守にし、戻ったあとまもなく54年になって仕事が一つは福建省、もう一つは黒竜江省になった。奥さんは福建への道を、旦那さんは黒竜江省の道を選んだという。
(なぜ、二人で同じ選択をしなかったのかと聞いたが、そんなことは考えなかったという)

しかし、物事には必ずや両面ある。恋人たちにとって仕事上の別れ目はチャンスでもある。別れる前に旦那さんは思い切って告白。二人は「正式に恋愛関係」となったそうな。それまでは「半秘密状態」でお互いに好感を持っていたという。

そして、別居すること1年。旦那が単位の上司に結婚のための奥さん引き寄せを願い出ると快諾してくれ、奥さんが黒竜江省にきた。

そこでの結婚式は牛の引く荷車にスイカとメロンと飴、ふたり分の寝具をのせて行き、友達とスイカとメロンと飴を食べただけという。

服装も軍服。奥さんは髪を2つに結び、色のついた紐で結んだのが精一杯のおしゃれだったという。嬉しかった?と聞いたらふたりとも、うん、というが、本当にそれだけの結婚式。

こんな昔の話はとても味がある。
色付きの紐、これが心に残った。

これ、本日80を迎えた中国のおじいちゃんたちからのお話なり。