北京の春

北京は今春真っ盛り。それにしても北京の春は駆け足でやってきて、あっという間に走り去る。

つい、2週刊前までダウンジャケットに手袋だったのに、いまでは薄いコートさえいらない位だ。

灰色だった街の木々は一斉に色付く。
緑の新緑、萌えいづる迎春花、真っ赤な木瓜(ぼけ)、そして豪華な木蓮が一斉に競い合うように街に色を添える。
暖かくなったなと思う暇もなく、暑いと感じるほど強い太陽の光が照り始める。

かと思えばもう、早速蚊がブンブン飛び始め、夜中に私の大好きな睡眠を邪魔をする。

日本では春はゆっくり穏やかにやってくるものだが、北京の春は実に突如ドバドバと訪れる。そして、もうすぐ夏だ。日本のような梅雨もない。

季節が人に与える影響は古今東西研究されてきているが、やはり無視できない。とても、日本のような風情を楽しむ穏やかさがここにはない。春の訪れを喜んだと同時に、夏への備えを始めなくてはならないのだから。

厳格な冬がさると、これまた暑い夏がやってくる。
厳しい自然がある中国では、生活は戦いだ、毎日がタイタニックのように。

これ、北京の春なり