中国農村の夏と冬

最近の北京の天気は最高気温が12度だったかと思うと、今日は最高気温は33度ともうめっちゃくちゃ。どうやら本当に夏が訪れたようで、蚊が出てきた。

蚊の話をした。1940年代の福建省のライチの樹がうっそうと生えている森は正に蚊の楽園だった。手を空中でグーにするだけで必ず何匹か獲れるほど蚊がたくさんいたという。

タイガーバームなどのかゆみどめの薬もあったが、そんな高価なものは買えない。刺されても刺されっぱなしだったと。あとは、寝る前に藁を燃やして部屋を燻すという。対策はそれだけ。

最後の頼みは蚊帳だけ。寝相が悪く、蚊帳に肘が当たったりすると、蚊帳の外からその部分だけ総攻撃を受けて真っ赤にはれたとか。

それじゃ、冬の方がいいね、というと、いやいや冬はネズミが顔の上やら蒲団の上を駆け回るという。その上臭虫というのが床びっしりでるとか。木製の床に卵があって、孵化して出てくるから、ひと冬に何回か床にお湯をまいたとか。

何だか聞いているだけでぞっとしてしてくる光景だったが、ちょっと昔はこんなもんだったんだ。農村のワイルドさと貧しさは本当に私の想像を絶した世界だ。

これ、70年まえの中国農村なり。