大会社の総代表VSベンチャーの一社員

先日、中国でビジネスをしている人たちに「日中関係は最悪か?」と問う講演会があった。そこには某超大手の中国総代表も講演してくれた。彼の原稿をみて、これは率直にものをいう面白い人だ、と思った。

要旨は日本の本社を向いてではなく、中国の市場を向いて仕事をすべきで、自分は社長と掛け合ってそうした。日系は殊更本社が海外の細部まで指揮する傾向が強い、欧米はそれほどではない。中国のことを全く分かっていない本社とのコミュニケーションが大変。日本のメディアは売るために中国の一部しか伝えていない。日本側も中国と違って情報を鵜呑みにしやすい。日本の制度、メンテナンス、運用に関する知識は中国も必要としている。技術面では中国はかなり追いついてきているが。日本側もしっかり発信すべき。草の根の支援などはとても大切、という感じだ。

いずれもどこもとても正しい。既成の日本社会の嫌中への警告や、日本本社や大企業に共通する官僚主義への批判、メディアへの批判、草の根支援への重要性指摘などおっしゃる通り!よく言った、という感じだ。

なのだが、正直聞いていて新鮮味がない。インパクトがない。これはどうしたものか?

対照的だったのが、若干30歳の某氏。日本の商社を辞めて中国の小さな環境ベンチャーで働いている。中国の若者の優秀な人は海外に出ており、ものすごく変わっていると訴える。アリババの例も出して、3年前には誰も知らなかったが、今は孫さんさえも相手にして仕事をしているという。急成長する中国企業の一面だ。

彼は壇上に立つなり、聴衆にこの中で学生さんはどのくらいいますか?と声をかけ、彼らの心つかむ。語り方がカジュアルで、わかりやすく、直接的だ。

正しいことを指摘しているおじさんにはない、何かを持っている。おじさんに欠けていたのはいったい何だったのだろうか?と考えているが分からない。

これ、本日の北京なり。