父と娘

人間、陰と陽とは言ったもので、父親はどういうわけか息子とより娘とのウマがいい。

パパは会社ではかなり威張っていても、奥さんには威張っていても、娘には全く歯が立たないというケースも多い。

先日パパの誕生日に娘がケーキを焼いたんですよ、とパパになってまだ数週間の同僚にお茶飲み場の会話として話した。

私が無意識に予測していた反応は「え〜すごい」といった類の返球だった。しかし、彼はなかなかボールを返してこない。

彼は自分のマグカップにお茶を入れる手を止めて一点を見つめながら思いを巡らせている様子。

私はこの一瞬の空白に?

そして、その後にふっと顔をほころばせてこういう。
「娘っていうのはそういうことをしてくれるんですねえ」と。

なるほど、彼から月並みなボールが返ってこなかったのはこういうわけだったかと、彼の生まれたばかりの娘さんのことを思い出して納得した。

その時の彼の笑顔には未来がいっぱい詰まっていた。

これ、北京のオフィスの風景なり