PM2.5といじめ

知り合いから子供の相談のメールを受け取った。中国人パパと日本人ママの娘さんはずーと日本で暮らしてきて今年は中学生。これまでも日本社会にいたが、最近PM2.5 中国、お前は中国に帰れといじめられてへこんでいるという。

それはかわいそうにと思った。親にとって子供がつらくしていることほどつらいことはない。
それに、日中ハーフだから、という理由で子供がつらくしているとなると、何だか自分が悪かったのかという錯覚も覚え、二重につらい。

私は少々頓珍漢ながら、エールを送ったが、まず、このいじめのロジックに驚いた。PM2.5、中国、→ハーフの子へのいじめとつながるところが不思議でたまらない。

中国がひどい大気汚染で苦しんでいることが、なぜ、中国人のハーフの子供をいじめることにつながるのか?

これはどう考えてもメディアの影響ではないだろうか?中国のPM2.5が風に乗って日本にやってくる、といささかパニック状態で伝えるメディア。PM2.5は中国特有のものではない。日本にもお線香やたばこに大量に含まれていて、居酒屋など相当濃度の高いところも普通に存在している。

それを、毒ガスか何かが中国から風に乗ってやってくるとでもいわんが如くである。中国を「ならず者国家」呼ばわりするのはあまりに知的レベルが低すぎやしないだろうか?

そういう大人の態度が子供にも伝染し、子供は大人をまねていじめに走る。
そんな子供の見本にならない子供じみたことをしている大人。

これは、中国における抗日戦争の日本兵の憎しみの再現でも同じだ。日本を憎むべき国と描こうとする意志が大人にあるから、子供も「日本人、日本人」と言ってくる。

子供に負の遺産を残さないためにも、大人は大人らしく、知的にしっかりやるべきことをやらなくてはならない。

そう、改めて考えさせられる相談だった。
これ、本日の東京&北京なり。