南京式典の悩み

今日は現地校5年生の日中ハーフの日本人ママが、学校が教育局に提出しようとして実施した南京式典に出たという話。

彼女もまずは出るべきかどうかかなり迷ったようだったが、最後は首を縦にふり、昨晩は緊張で寝られなかったという。
式典では、映像(あまりえぐくないもの)をみせ、世界中の追悼記念日について知らせて考えさせ、平和宣言という今年の式典で読まれた以下の死を全員が暗記して暗唱したという。

77名南京市青少年宣读《和平宣言》
巍巍金陵,滔滔大江,钟山花雨,千秋芬芳。一九三七,祸从天降,一二一三,古城沦丧。侵华倭寇,掳掠烧杀,尸横遍野,血染长江。三十余万,生灵涂炭,炼狱六周,哀哉国殇。举世震惊,九州同悼,雪松纪年,寒梅怒放。亘古浩劫,文明罹难,百年悲叹,警钟鸣响。积贫积弱,山河蒙羞,内忧外患,国破家亡。民族觉醒,独立解放,改革振兴,国运日昌。前事不忘,后事之师,殷忧启圣,多难兴邦。七十七载,青史昭彰,生生不息,山高水长。二零一四,国家公祭,中外人士,齐聚广场。白花致哀,庄严肃穆,丹忱抒写,和平诗章。大道之行,天下为公,大紱曰生,和气致祥。和平发展,时代主题,民族复兴,世代梦想。龙盘虎踞,彝训鼎铭,继往开来,永志不忘。

その後、彼女が日本人の来賓として挨拶。多くの人が無くなったことを悼み、日本と中国の平和を願ったという。
学生からは、日本の良いところを学び、悪いところは学ばないようにしよう、とか、日本はもっと補償をすべきだったなどの子供たちの意見がでたという。素直に日本の物は良いという子もいたとか。

彼女がひっかっかったのは、「だから、強くならなくてはならないのだ」というロジック。南京でひどいことをされたのは弱かったから。自分たちは強くならなくてはならない、というのが中国の南京を語る論理だ。

でも、取りあえずはそれは流して参加したという。

同じことを依頼されたら、私も本当に悩むだろう。中国の歴史教育は明らかにおかしい部分があるし、加害者の日本人としては更にそれとのかかわりが難しい。とはいえ、日本人不在で日本を糾弾するのではなく、両者がそこにいる中で冷静に考えるということはとても意義がある。日本人として歴史問題は避けて通れないわけで、政治を抜いて誠意を示すことは大切でもある。

結果としては先生はとても喜んでくれて、生徒も穏やかな彼女の話を聞いて脳裏の日本人は日本軍ではなく、彼女となったことだろうから、やっぱりやった甲斐はあったのだろう。いろんな矛盾があるが、少しでも良い方を選ぶしかない。

これ、本日の北京なり。